大手不動産会社では、なぜ事例が少ないのか?



こんにちは。株式会社エイミックス東京支店の細貝です。
『ローンの支払いが滞っていて家を売らなければならないので大手不動産会社で売りに出しているのですが、数か月経つのに売れそうな気配がなくこのままでは不安です。』
『大手不動産会社で売りに出していて売れない間に住宅ローンの延滞が増えてしまい、期限の利益を喪失して一括請求をするという通知が来てしまいました』
などというご相談が最近増えています。
そして面談でこれまでのいきさつをお聞きすると、かなり無理がある価格設定で売りに出していたケースが非常に多いということに大変驚きます。
その根本的な理由はたった1つ大手の不動産会社は、任意売却を行わないからということに尽きます。
この記事を読んでわかること
![]() ![]() | 細貝 和弘(ほそがい かずひろ) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 2級フィナンシャルプランニング技能士 賃貸不動産経営管理士 相続診断士 大手不動産仲介会社の法人営業部の責任者として任意売却部門を立ち上げ、銀行や信用保証会社、債権回収会社および破産管財人弁護士のサポート、そして住宅ローンの返済に困窮した方々の300件以上のコンサルティングを行ってきた任意売却の専門家。 | |
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大手不動産会社に売却を頼んだのに半年たっても売れない!
ご相談者様は今は住宅ローンをなんとか払えているがこの先ずっと払い続けるのは厳しいと考えて今のうちに売却してしまって住居費負担を減らしたいとの思いから大手の不動産会社に売却を依頼されていました。
ことのはじまりはよくある不動産の査定サイトに片っ端から登録して十社以上から家の査定をしてもらいその中から大手不動産仲介会社に家の売却を依頼したとのことでした。
家の査定の時に大手不動産仲介会社の担当者からは半年以内に売れますと言われていたのでそれくらいならなんとか持ちこたえられると安心していたとのことでした。
しかし半年たってもいっこうに家が売れる気配がなく実際の家計は毎月赤字で貯金を切り崩している状況でしたのでいよいよ貯金も尽きてしまい住宅ローンの返済が払えなくなって2ヵ月分ほど滞納してしまいご相談者様は焦り出したのです。
このままではダメだ。そう思って藁をもつかむ思いで当社にご相談されたとのことでした。
最初のお電話の際にも今別の不動産会社に売却を依頼していて売却の契約(おそらく媒介契約のこと)をしているのですがいいのでしょうかと申し訳なさそうに話されていましたので他社で依頼中でも全然大丈夫ですよとお伝えしてご訪問させて頂くことになりました。
そりゃ売れなくて当然!な原因が判明
そして当社でもさっそく訪問査定をさせて頂き厳しい現実が明るみになったのです。
当社としては厳しいことをお伝えしなければならなかったのですが事実は事実なのではっきり言って今の家が売れないのは当たり前だとお伝えしました。
なぜなら売りに出している価格が近辺の相場価格よりも800万円も高かったのです。
不動産はある程度の相場がありますのでぶっちぎりで周辺の相場より高いとよほどの理由が無い限り売れることはありません。売れたらミラクルです。めったにそんなぶっちぎりの高値では売れないからミラクルなのです。ミラクルに期待してもなかなか難しいです。手元の資金的に余裕があっていつまでもかかってもいいというならまだいいでしょう。しかし今回はそんな余裕はなかったので最初の値付けが失敗していることが最大のミスだといえるでしょう。
ご相談者様が言うには、住宅ローンの残債に不動産仲介会社に払う仲介手数料などの経費を乗せるとそれでもカツカツで手残りはないとのことでした。
不動産仲介会社の担当者はそれでも売れると言い張るので任せたとのことでした。
これよくあることなのですが、不動産査定サイトなどでバッティングすると他社よりも高値の査定を提示して自分のところに依頼を頂けるような力がどうしても働くのです。
特に大手不動産仲介会社は広告宣伝費も多くかけていますし営業マンの人件費も高いので、売却依頼を取るノルマが厳しいのです。なので大手仲介不動産会社の営業マンはとりあえず高く査定を提示してでも売却依頼を取って媒介契約を結ぶことが多いのです。そしてその後売れなければ価格を調整して時間をかけてでも売っていくというのが大手不動産仲介会社の常套手段なのです。
高く売り出すと時間がかかる。住宅ローンが厳しい場合は非現実的
さきほども書きましたがいくらで売りに出そうが売主の自由なのですがその価格で買い手がつかない限り売買は成立しませんので価格を高く売りに出すと売却に時間がかかるのです。
いくら時間がかかってもなるだけ高く売りたいという希望があればそれでもかまわないでしょう。しかし今回のご相談者様のように手元資金の余裕がなくなりそうだから、住宅ローンが払えなくなりそうだから家を売却したいというケースではそのやり方ではタイムオーバーになるのです。果たしてその大手不動産仲介会社の営業マンはこのご相談者とそこまで突っ込んだ話が出来ていたのか多々疑問は残るのですがそんなこと言っていても仕方がないのでまずはご相談者様の問題解決に取り掛かりました。
ご相談者様も当社に全面的にお任せしますので宜しくお願いしますとのことでしたので、まずはその大手仲介不動産会社の専属専任媒介契約を解約するところから着手しました。ご相談者様は解約することにかなり気が引けるとおっしゃっていましたので私の目の前で携帯電話から電話してもらいました。すると案の定、今までずっと販売活動をしてきたのにどうのこうのと言われていたので電話をかわってもらい今のご相談者様の事実を私からお伝えしたのです。このまま御社が売れもしないのに高値で引っ張ってご相談者様が破産したらどうするんですか知りませんよと。それを聞いてびっくりしたのか今度は所長さんとおっしゃる人が電話に出てきてそんなこと言われてもうちには責任ないですよ、媒介契約は今すぐ解除しますとなったのでした。おそらくクレームになったらまずいと考えたのでしょう。大手不動産仲介会社は自分に落度があるクレームを出してしまうと人事評価に響くのでさっさと引き下がったのかもしれません。まあそんなことこちらにとってはどうでもよいことです。できないのであれば邪魔なだけなので大手不動産仲介会社様にはここでさっさと退いて頂きました。
残債を下回ったけど任意売却で無事売却
そして当社でご相談者様からのご依頼を受け債権者とも交渉して任意売却の手続きを取り売却を進めていきました。債権者である銀行さんにも今まで相場よりも高い価格で半年以上売却活動を大手不動産仲介会社さんでしてきましたが売れませんでしたと伝えて相場の価格で売却に応じて頂けることになったのです。大手不動産仲介会社で半年間以上でたらめな価格で売りに出していたことがケガの功名かこんなところでは適正価格のエビデンスとして役に立ちました。
最終的には住宅ローンの残高を下回る価格で任意売却が成立しました。そして今までの住宅ローンの月々のお支払よりも半分くらいの家賃の賃貸マンションにお引越しをされたのでした。
任意売却後に残った住宅ローンの残債は少しずつコツコツと払っていかれています。あのタイミングで当社にご相談されて本当によかったと今でもおっしゃって頂いています。
住宅ローンが払えないので家を売りに出しているが時間ばかりかかって売れないという場合は今回のケースのようにべらぼうに高い価格で売りに出さざるを得ないことがあります。
大手不動産会社は任意売却をしない
住宅ローンの残債が減っていて、住宅ローンの残債<売却相場価格である場合はそもそも悩む必要はありません。住宅ローンの残債に仲介手数料やその他売却にかかる経費を乗せて売りに出しても、売却相場価格を大幅に超えない限りはいずれは売れていき目的が達成されるからです。
しかし、住宅ローンの残債があまり減っておらず、そのわりに家の価値や相場が下がっている場合は、住宅ローン残債>市場相場価格となりますので、売却価格で住宅ローンを返済しようとするだけでも売却相場価格を超えてしまいますので売りに出しても動きが悪くなってしまいます。
そのうえさらに仲介手数料やその他売却にかかる費用を乗せて売りに出してしまうと、売却相場価格よりもぶっちぎりで高い売り物件となってしまい、買いたいという手を挙げる人がいなくなってしまうのです。
これだけインターネット上でも売り物件情報が出回っている状況で、買主さんもだいたいの相場をつかんでいる現在で、そういった相場よりもぶっちぎりで高い売り物件を売却するのは、大手不動産会社であっても物理的に不可能に近く至難の業なのです。
大手不動産会社はなぜ任意売却しないのか?
では、なぜ大手不動産会社は任意売却を行わないのでしょうか?大手不動産会社が任意売却に取り組まない理由は色々な事情があるのですが、『債権者や税金窓口など通常の不動産売却よりも交渉先が多岐に渡り手間暇がかかる割には頂くことができる仲介手数料は同じ』という部分が大きいと思います。不動産取引における報酬額は宅建業法で厳しく上限が制限されており、任意売却であっても例外ではないからです。
また、普段から任意売却を扱っていてそういった債権者等との交渉を行っていないと、任意売却をしようとしても窓口すら分からないという状況になります。任意売却をしようとしてもできないのです。
そこで大手不動産会社が打開策として売主に提案できるのは主に下記3パターンとなります。
【パターン①】住宅ローン残債の減りに合わせて価格を少しずつ下げていき売却
⇒売却中であっても住宅ローンの支払いは毎月行っていきますので、少しずつですが住宅ローンの残債は減っていきます。それに合わせて売り出し価格を下げていって市場相場に近づけていく方法です。時間がものすごくかかります。
【パターン②】売主の持ち出しで穴埋めして売却
⇒住宅ローンの残債に届かない価格で買主から打診があった場合に、その差額を売主が自己資金や借り入れでの資金調達で持ち出しをして売却代金と合わせて住宅ローンを完済して売却する方法です。売却を急ぎかつ売主に資力がある場合に取られることが多い方法です。
【パターン③】買い替えローンを使って穴埋めをして売却
⇒買い替え先の家の住宅ローンに売却物件の差額分を乗せてまとめて住宅ローンを組んで売却する方法です。大手不動産会社から買い替えの提案を受けるケースは多いのではないでしょうか。なぜなら買い替えをすることで仲介会社としては売りと買いで2回仲介に入れるため、仲介手数料もその2回分頂くことができるからです。今の物件が売れたら次の物件を買いたいと思っている人にはちょうどよい方法です。
以上の3パターンが大手不動産会社が住宅ローンの残債>売却相場価格の際によく売主に提案する売却手法だといえます。
しかし、よく考えてみてください。パターン①とパターン②はお金も時間も余裕のある売主にしかできないの売却方法だと思いませんか?もし住宅ローンの支払いが厳しいので払えなくなる前に売却をしてしまおうと考えているのに
- パターン①⇒時間がかかる&支払いは続く
- パターン②⇒まとまったお金がいる
となってしまい、そもそもの売却目的を達成させることができません。時間がかかりすぎてしまえば、住宅ローンの支払いがさらに厳しくなってしまうこともあり得ます。
パターン③⇒今の家のローンは終わるが次の家のローンが始まる
となってしまい、住宅ローンの支払いが厳しくて売却するのにまた住宅ローンの支払いを抱えることになり、これもまた売却目的を達成させることができません。大手不動産会社には販売力があり、広告宣伝費用の予算も潤沢なので、売却依頼をすれば確かに不動産は売れるでしょう。しかし上記で申し上げた通り住宅ローンの残債<売却相場価格の場合にその販売力が最大限に発揮されるのです。
逆に、住宅ローンの残債>売却相場価格の場合は、大手不動産会社のその強みを十分に発揮できない=なかなか売れないということになります。
そして、住宅ローンの残債>売却相場価格の際の不動産の売却に威力を発揮するのが弊社が専門的に取り扱う任意売却という売却手段なのです。
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住宅ローンの残債>売却相場価格だった場合は、ぜひ一度任意売却をご検討下さい。
大手不動産会社で長期間売りに出していて売れなかった物件が、任意売却であれば売れたというケースはたくさんあります。
また、住宅ローンの支払いが厳しいのであればなおさら悠長に売れるのを待っている場合ではないはずです。
私たちエイミックスは、任意売却のパイオニアとして、大手不動産会社でなかなか売れずお困りのご相談者様のお力になれるものと自負しております。
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