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裁判所から執行官が来る…どうしたら良いの?この後どうなるの?!

船木様のイメージイラスト

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Q.裁判所から執行官が「現況調査」に来るとの連絡が来ました…このあとどうなるのでしょう?どうしたら良いですか?
<兵庫県 船木様(仮名)>

住宅ローンの返済が滞る様になり、滞納を続けていたのですが、ついに先日「競売開始決定通知書」というものが届き、裁判所から執行官が「現況調査」というものに来るとの連絡が来ました。

もう住宅ローンの返済はできそうにない状況ですし、まして一括での返済など出来るはずもありません…このままだと、なにがどうなっていくのでしょうか?不安で仕方ありません。

A.裁判所から「執行官」が来る…というだけで、何が起こるかよくわからず、とても不安に思われることと思います。
まずは、何が起こるかを把握して、早めに適切な対応を進めることが解決への近道になりますので、しっかりと確認していきましょう。

まず「競売開始決定通知」が届き、不動産競売の手続きが進められていくと、次はその対象(あなたのご自宅)に対しての調査の段階になります。

その競売を進めるにあたり、入札価格(買受可能価額)はお住まいのあなたの意思では決める事は出来ず、裁判所が決定することとなります。

そこで、まずその価格を決めるために、執行官は家の評価や測量、写真撮影などをしにやってくるのです。

では、その時なにが起こるのか?どうしたら良いのか?などを詳しく解説しましょう。


監修

細貝相談員の顔写真
細貝相談員の顔写真

細貝 和弘(ほそがい かずひろ)

宅地建物取引士
公認不動産コンサルティングマスター
2級フィナンシャルプランニング技能士
賃貸不動産経営管理士
相続診断士

大手不動産仲介会社の法人営業部の責任者として任意売却部門を立ち上げ。銀行や信用保証会社、債権回収会社および破産管財人弁護士のサポート、そして住宅ローンの返済に困窮した方々のお悩み300件以上をコンサルティングしてきた、いわば任意売却の専門家。

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1.執行官とは何者なの?

裁判所のイメージ
執行官は裁判所からやってきます

まず、やってくる執行官とは何者なのか?から解説しましょう。
執行官とは、裁判所において民事執行手続のうち、現地調査したり、売却に際しての手続きを主宰したり、執行裁判所の補助機関として職務をする、裁判所職員のことです。

また、この執行官にはお住まいの現況を調査する権限があり、訪問を拒否して外出しているなどの状況でも、鍵を解錠して強制的に実行する(中に入って調査をすすめる)権限が与えられています。
ただ、怖い人達ではなく、あくまで裁判所の職務として権限を行使、執行するだけですので、必要以上に怯える必要はありません。

2.何をしにやってくるの?

競売にかけるため、あなたの自宅(対象の不動産)の値段を決めるために評価、査定しに来るのです。

通常、執行官は不動産鑑定士とともにやってきます。

おもに実施することは次の作業となります。

    1.室内の目視、写真撮影

    室内の目視、写真撮影

    査定のため室内の状態をチェックします。また、お部屋内の状態も撮影を行います

    2.外観の目視、写真撮影

    室内の目視、写真撮影

    お家の外観をチェックします。室内と同じく写真の撮影も行います。

    3.測量、周辺のチェック

    室内の目視、写真撮影

    測量を行います。周辺環境も細かく見て回ります。但し、必要以上に目立つような動きはしません。

    などを中心に行います。

    最低入札額(買受可能価額)は裁判所が決定することになりますが、その価格を決めるために、家の評価や測量、写真撮りなどをするのです。ここで執行官は、建物の外観の写真を撮影したり、測量のために周囲をウロウロしたりします。

    また、執行官の現況調査には居住者(債務者)が立ち会わないケースも多々ありますので、その場合は土地の境界で争いが無いかどうかなどを隣地の人に聞き込みをする時もあります。

    このような裁判所の執行官の調査によって、ご近所に気付かれてしまうことはよくあります。

    ただし裁判所の職員は、最低限の確認をしたいだけなので、大げさに目立つようにあちこち近所に聞きまわるわけではありません。

    問題となるのは、不動産業者や個人投資家による聞き込みが問題となります。


    3.執行官来訪の後は何が起こるのか

    競売の手続きは進み
    次の段階へ!

    新聞・ネットに自宅が掲載されてしまう
    近所に知られてしまう
    退去を強制的に迫られる
    止めたくても止められない

    裁判所(執行官)による現況調査が終わると、数カ月後に裁判所からの競売物件の情報が広く開示されます。この段階になると、隠すことも難しくあなた(債務者)にとって非常に厳しい事態となってくるのです。

    自宅や近所に色々な人が聞き込みに来る

    入札期間の2週間ほど前から不動産業者や個人投資家が聞き込みに来る

    裁判所による現況調査を終了すると、約数か月で裁判所から物件の情報が開示されます。

    それを見た一般の個人投資家や不動産業者などが、現地調査のために次々と家を見に来ることになります。

    家の周りでうろつく不審な業者
    家の周りでうろつく不審な業者
    • ◎外から物件を観察
    • ◎ポストを見て住んでいる人の氏名を確認
    • ◎外の電気メーターを覗いて住んでいるかどうかを確認
    • ◎周辺をウロウロしてエリアの雰囲気を確認

    など、住んでいる者からすると気分のいいものではありません。実際にインターホンを鳴らして居住者本人がいる場合には本人から話を聞こうとすることもあります。

    ただ、競売物件という特殊な事情で、すでに引越しや、夜逃げで空き家になっているということも多く、たとえ在宅していたとしても無視する場合も多くあるので、居住者本人から情報が得られなかった場合は、近所に住んでいる方への聞き込みをすることになるのです。


    なぜたくさんの人が聞き込みに来るのか?

    裁判所の物件資料の情報が古い

    嘆く不動産営業
    頭を悩ます不動産業者

    その理由は、「裁判所の公開している資料が完全には信用できない」からというのが一番の理由です。

    なぜかというと、競売物件の現況報告書がそもそも古いということです。
    裁判所から執行官が来て、現況調査してから実際に期間入札が行われるまでには概ね半年程度かかるので、半年近く前の古い情報がのっている可能性が高くなります。

    半年も経過していれば何があるかわかりません。居住者の状況が変わっているかもしれませんし、占有者が変わっている可能性もあります。はたまたその筋の人が占拠しているかもしれませんし、何か家の中で事件が起こってしまっているかもしれません。
    ですので、そんなこともあり競売物件を落札しようとする時には、必ず自分の目で最新の状況を確認するのがセオリーとなっているのです。


    もし物件に問題があっても裁判所は責任を取らない

    競売物件の大きな特徴なのですが、裁判所が一切の瑕疵担保責任を負ってくれないということがあります。
    競売物件は現況有姿での売買となるため、裁判所への瑕疵担保責任が適用されないのです。

    オークションと同じでいわゆるノークレームノーリターンを前提としているからこそ、価格を通常の相場よりも安い価格設定にしてあるのです。要するに裁判所が公開している資料は最新のものではなく正確なものでもない上に、間違っていたとなっても、一切、瑕疵担保責任や返金には応じないということです。

    そうなると、落札しようとする不動産業者や個人投資家は、当然ながら自ら足を運んで、物件近隣を調査し、聞き込みまで行ってまで、実態を把握せざるを得ないというわけです。

    ちなみにここでいう瑕疵担保には、

    • ◎シロアリや雨漏りなどの建物の欠陥
    • ◎周囲の異臭や騒音などの環境瑕疵
    • ◎過去に殺人事件や自殺があったなどの心理的な瑕疵

    もすべて含まれます。

    もし、執行官が現況調査で、上記瑕疵を把握できずに知らずに落札してしまってお金を払ったとしても、その責任は購入者にあるということになります。
    簡単な話、競売物件を落札する際にはよく調査しないと結局損してしまう可能性が高くなるということです。

    近所への聞き込みで居住者がどんな人かを知りたい

    状況を分析する不動産営業
    情報を集めリスクを考えます
    • ◎今でもまだ居住者が住んでいるのかどうか
    • ◎住んでいるならどんな人が住んでいるのか

    この2つは競売物件を落札する際に知っておきたい事項となります。
    それは競売の場合は、建物の立ち退き交渉も落札者自身が行わなければならないからです。

    競売物件は、所有者の意に反して売却にかけられることがほとんどです。そうなると当然難航してくるのが、居住者の立ち退き、引越しです。

    最終的に話がつかない場合は、強制執行で無理やりにでも追い出すことも可能ですが、強制執行するには、最大で20万円から50万円の大きな経費がかかりますので、落札者としてはできれば話し合いで退去して欲しいと考えるのが普通です。

    そこで、

    • ◎立ち退きの必要がありそうかどうか
    • ◎常識のありそうな人かどうか

    を入札する前にしっかりと確認しておきたいと考えるわけです。

    まともに話し合いができそうにない人であれば、強制執行することまで考えて費用を見積もる必要があります。
    逆にもう引越していることが分かれば、立ち退き交渉する必要はなくなるな…と、見積もるのです。

    居住者本人となかなか接触できないことが多いので、その結果近隣に聞き込みに回る不動産業者や個人投資家が多いというわけなのです。

    4.この事態を回避する為には?

    競売になる前に早急に任意売却をご検討ください!

    あなたにとって、様々な苦難な状況に陥ってしまう「競売」になってしまう前に、出来るだけ早いタイミングで競売にならない為のアクションが必要になります。

    但し、下記のチャート表を見ていただくとおわかりいただけると思いますが、いつまでもその機会はありません。

    本来、競売の準備が進んでしまう前の、少しでも早い段階で専門家に相談頂くのが良いのですが、今回のように執行官の来訪まで来てしまった場合は、1日でも早い対応が必要不可欠です。

    そして、競売を避けるためのアクションとしては、残念ですがご自宅の「売却」を念頭に話を進めざるを得ません。
    強制的に進められる競売よりも、自らの意思で有利に売却することが出来る「任意売却」(にんいばいきゃく)を行うことで、家を急に追い出されたり、安く買い叩かれて家を失ったことに加えて、さらに大きな負債が残る…という事態を避けられるのです。
    また、任意売却の場合、売却後も自宅に住み続けれれる方法「リースバック」を併せて行うことも可能な場合がありますので、競売になる前に早いタイミングで「任意売却」の決断が望まれます。

    任意売却が可能な期間を記したスケジュール表
    任意売却が可能な期間を記したスケジュール表
    図:任意売却が出来る期間の表

    一般的に任意売却が出来るリミットは、競売の期間入札開始日より前とされています。
    今まさにこのような状況に置かれている方がいらっしゃましたら、一刻も早く私たちへご相談ください。

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    代表書籍の紹介

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