自己破産とは?債務は無くなるがマイホームには厳しい選択 – エイミックスの用語辞典
この記事を読んでわかること
自己破産とは?
自己破産(じこはさん)とは、国の定めた制度で、住宅ローンやカードローンなど様々な債務に苦しむ方の救済方法として作られました。自己破産を行うと原則としてすべての借金を返済する義務がなくなります。膨大な多重債務に苦しんでいる方などには窮地を脱することが出来、人生を再スタートできる方法と言えるでしょう。
ただし、今後10年程度は住宅ローンはもちろん、クレジットカードなどを作ることも出来ないため、現金での生活を強いられます。また、いまお持ちの資産(家、車など)換金できるものはすべて所有できなくなりますし、給与の差し押さえなどが行われることもあり、精神的にも負担は大きくなります。その事を考えても、最後の手段という側面が強い方法と言えるでしょう。
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Wikipedia
”破産とは、一般的には財産をすべて失うことを言う[1]が、自己破産とは、債務者が経済的に破綻することで、既に弁済期にある全ての債務が債権者に対して一般的・継続的に弁済することができない状態にあるとき[2]に、本人などの申立て権者が裁判所に申立て、裁判所が選任する破産管財人に債務者の財産を包括的に管理・換価、また総債権者に公平に分配してもらうことで、経済的破綻状況から離脱することをいう。日本では、破産法により、破産について非懲戒主義(公法上での資格制限を科すなどの建前上の不利益を否定すること)や免責主義(破産者の責任、特に債務について、原則としてその責任を免除すること)を採っている。
日本では、2004年(平成16年)6月2日に全面改正された破産法(平成16年法律第75号)が公布され、翌2005年(平成17年)1月1日に施行された。”
出典:「破産」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2019年10月12日 (土) 15:00 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/破産/
自己破産をするともう家は買えないのか?
自己破産をすると住宅ローンは10年間は組めないと言われています。
これは残念ながら原則的にはその通りだといえます。
都市伝説はいろいろと流れていますが、大前提としては自己破産してから10年未満で住宅ローンが組めるというのはあまり多くないケースです。
ただ一口に住宅ローンといっても、
- ◎銀行系住宅ローン
- ◎モーゲージ系住宅ローン
- ◎ノンバンク系住宅ローン
- ◎住宅金融支援機構フラット35
- ◎プロパー融資
などいろいろあります。
どの金融機関で住宅ローンを申し込むのかによって自己破産歴に対するハードルやスタンスが違うことも事実です。
もし、自己破産をしてから10年未満で住宅ローンを申し込む場合には、手当たり次第に申し込むのではなく、それぞれの住宅ローンの特徴を理解して、少しでも可能性のある住宅ローンを選択する必要があるということです。
ここでは、自己破産した後に住宅ローンが組めるのかどうかについて見ていきます。
細貝 和弘(ほそがい かずひろ) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 2級フィナンシャルプランニング技能士 賃貸不動産経営管理士 相続診断士 大手不動産仲介会社の法人営業部の責任者として任意売却部門を立ち上げ。銀行や信用保証会社、債権回収会社および破産管財人弁護士のサポート、そして住宅ローンの返済に困窮した方々のお悩み300件以上をコンサルティングしてきた、いわば任意売却の専門家。 | ||
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このページを熟読いただくことで、自己破産をした場合のその後を計画的に行動することが出来、再びマイホームの夢を叶えることが一歩近づくかもしれません。
それでは詳しく見ていきましょう。
自己破産歴は何年くらいで信用情報から消えるの?
信用情報機関のうち、全銀協(全国銀行個人信用情報センター)、通称KSCの信用情報からは、自己破産歴は10年間絶対に消えません。
他の信用情報機関(CIC、JICC)の場合は5年間で自己破産歴は消えますが、全銀協の場合は10年間自己破産歴が消えずに残ります。
住宅ローンの審査の際にはほとんどの金融機関が全銀協の信用情報を確認します。
なので原則自己破産後10年は住宅ローンの審査が通らないということなのです。
つまり、自己破産してから10年未満だがどうしても住宅ローンが組みたいという場合には、
- ①全銀協に加盟していない(照会しない)金融機関で住宅ローンを申し込む
- ②全銀協の自己破産だけで判断しない金融機関で住宅ローンを申し込む
のどちらかの方法が考えられます。
まず銀行系の住宅ローンはこの時点で厳しいことが分かると思います。
全銀協はそもそも銀行系の信用情報機関だからです。
銀行なのに全銀協に加盟していないということは絶対にありません。
そのため、全銀協に自己破産歴が残っている時点で銀行系の住宅ローンに申し込んでも絶対に審査に落ちます。
また、銀行系住宅ローンは必ず本審査で保証会社による信用情報のチェックが入ります。
保証会社は自己破産に対して厳しいことが多く、自己破産歴があるとまず銀行系の住宅ローンは通りにくいということです。
なお、10年未満かどうかに関わらず、自己破産した時に踏み倒した銀行や保証会社の系列の金融機関では、二度と住宅ローンは組めない可能性があるので、自己破産した際の状況は残しておくほうが無難です。
ノンバンク系金融機関の住宅ローンは自己破産後でも組める?
ノンバンク系の一部の会社は全銀協に加盟していないケースがあり、ローンの審査で全銀協が照会されない可能性がわずかに残されています。
ノンバンク系の住宅ローンとは、
- ◎SBIモーゲージ(現アルヒ)
- ◎日本住宅ローン(MCJ)
- ◎協同住宅ローン
- ◎優良住宅ローン
- ◎ファミリーライフ
- ◎全宅住宅ローン
- ◎トヨタファイナンス
など、住宅ローンのみを取り扱っている金融機関や保険会社のことです。
その場合ですと、全銀協以外の信用情報機関(CIC、JICC)の自己破産歴は5年で消えますので、6年目以降は住宅ローンの審査に通る可能性が出てきます。
ただし、全銀協に加盟していなくてもCRIN情報といって、一部の信用情報はCICやJICCとも開示できる仕組みがあります。
しかしCRIN情報の対象となるのは延滞や代位弁済等の情報のみで官報の自己破産の情報は共有されません。
そもそもノンバンク系金融機関の住宅ローンには貸付金利が高いというデメリットがあります。
なので自己破産歴のある人に一概にお勧めできるというわけではありません。
また、SBIモーゲージ(現アルヒ)や協同住宅ローンなど、ノンバンク系金融機関でも普通に全銀協に加盟しているところも多くあります。
こういうところでは審査で全銀協に照会されますので意味がないということになります。
全銀協ホームページでは加盟金融機関一覧などで確認できます。
住宅金融支援機構のフラット35であれば自己破産後でも可能性があるのか?
過去に自己破産歴がある人などで信用情報がグレーな人で住宅ローンを申し込むときによく勧められるのが住宅金融支援機構のフラット35です。
フラット35の住宅金融支援機構も全銀協に加盟していますので自己破産後10年未満であれば自己破産していることは分かってしまいます。
しかし、住宅金融支援機構は自己破産歴があるというだけで否決せずに、属性などが良ければ総合判断として柔軟に貸付を行うという特徴があります。
例えば、
- ◎頭金をしっかり準備している
- ◎返済比率が低い
- ◎上場企業などに勤務している
- ◎年収が高い
- ◎勤続年数が長い
などのプラス要因があれば自己破産歴というネガティブ要因をカバーできる可能性があるということです。
住宅金融支援機構では事前審査はありませんので本審査の一発勝負となります。
ただしフラット35を申し込む際の窓口となる金融機関により仮審査が実施されています。
この仮審査で否決されては意味がありませんのでどの窓口金融機関からフラット35を申し込むかは非常に重要になります。
自己破産後に住宅ローンを借りるには最低何年かかる?
自己破産後にどれだけ早くても住宅ローンを検討できるまでは6年はかかると考えて下さい。
どんなに最短でも6年は必要です。
本当は頑張って10年待ってすべての信用情報をきれいにしたほうがいいというのは言うまでもありません。
自己破産後に5年が経過すると、CICとJICCの信用情報から自己破産歴が消えます。
まずはCICとJICCが白でないとローン審査の土台に乗りませんので、最初の5年間はひたすら我慢して待つ必要があります。
この5年間は何もできません。
もし早く住宅を買いたいのであればこの期間に、
- ◎頭金のために少しでも貯金する
- ◎年収をのばすために頑張って働く
など地道に頑張っておくことが必要です。
いかがでしょうか?
自己破産してから最長でも10年たてばもとの状態に復活できますが、それを長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれだと思います。
ただし、住宅ローンの延滞などをしていて現状が非常に厳しいのであれば下手に引っ張るよりも早めにリセットしてしまったほうがその分だけ復活する時期も前倒しになり早くなるということだけは疑いようのない事実なのです。
住宅ローンの延滞をしていて日々の生活が厳しいのであれば、任意売却を行うことで自己破産までしなくても早期にリセットすることが可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。