離婚後の自宅の処分方法が問題に発展した、ご相談解決事例
離婚後の自宅処分に関する問題は、私たちエイミックスでも年々増えているご相談です。住宅ローンの支払いが厳しくなり、滞納を余儀なくされるという問題だけでなく、多様な問題が発生するのが特徴です。
例えば、お住いの家に奥様とお子様が住み続け、住宅ローンの名義人であるご主人が出ていくケースで、元夫が住宅ローンを続けて払っていく約束だったのに、数年後にいきなり妻のもとに競売開始決定通知書が来て競売となり、自宅を追われる事態に…というトラブルや、ご夫婦の共同名義で組んだ住宅ローンの離婚後の問題なども複雑な問題です。
このように離婚する時に、自宅の処分をどうするかなどを曖昧にしていては、数年後に大きなトラブルを引き起こす可能性があり、放置しておけないのが離婚における住宅ローン問題と言えるでしょう。
自宅の処分など住宅ローン問題を片付けず離婚すると
私たちにご相談頂く問題でも非常に多くの割合を占めているのは、「離婚後に住宅ローンの名義人だった夫が、養育費や慰謝料の替わりにと、自宅の住宅ローンの返済を続けるというケース」です。
実際にそれだけ問題が発生しているということは、離婚に際しての解決方法としては、危険な要素を秘めた方法だということを表しています。
住宅ローンの返済は、どのローンよりも長く長期に渡るものです。その残債にもよりますが離婚後払い続けるといってもすぐ終わるものではなく、その後も数年に渡り返済を続けることになるでしょう。
離婚時には払う側の元夫なども「払っていける」と思っていても、その後のライフスタイルがどう変わるかは不確定なものなのです。突然のリストラや収入減少、または再婚での生活費など、様々な要素で支払いが困難になることは容易に考えられるのです。
ある日突然
連帯債務者の夫が自己破産すると弁護士から連絡来る…
自宅を競売するという通知が届く…
連帯保証人である妻に請求が来る…
など、思いがけない事態になり、お互い新生活していることもあって、その時にはすでに回避が難しいほどの悪化した状態で、緊急性があることがほとんどなのです。
払えなくなったが妻が売却に応じない
再婚が決まったが養育費代わりの住宅ローンが厳しい…
といった、離婚後も住宅ローンを支払っていた側の立場でも、「返済が苦しいがどうしたらいいでしょう?」というようなご相談を多く頂いています。
実際のご相談者の事例
では、実際に私達にご相談いただいた事例をご紹介いたしましょう。先程ご紹介したようなケースが非常に多いことがわかって頂けるかと思いますが、そんな場合も必ず解決への道はあるということも、わかって頂けるかと思います。
千葉県 藤井様(仮名)の場合
「住宅ローンだけ払ってた夫が滞納。売ろうにも自宅は賃貸にしていて…」
年齢 53歳
職業 会社員
家族 子(離婚:夫)
住所 千葉県
元夫と共有名義で購入した藤井様(仮名)。夫から支払いは続けてもらっていたものの、ある日支払いは滞る…自身だけでは返済が困難で、子供も手を離れたことから未練もなく売却を決断するが、その自宅は少しでも住宅ローンの補填にと賃貸にして貸し出ししていた。返済の為にとやっていたその事が、皮肉にも売却を困難にしてしまう結果に…。
残債 2,300万円
・別れた夫と共有名義で戸建住宅を購入。
・別れた夫から継続して支払を続けて貰っていたが、別れた夫の都合により支払が滞ってしまう。
・子供も手を離れ自宅には未練なく売却希望。
・現在自宅は少しでも住宅ローンの補填にと賃貸にして貸している。
「残債もなく売却成立、晴れやかな気持ちで再出発。」
今回の任意売却のポイントは、今の賃借人が退去する目処がたたない限り、賃貸中の物件としてオーナーチェンジの投資物件となることから、売却の可能性は低くなることが懸念でした。
まず、賃借人は法人貸しだったことから、法人の人事担当者と長期にわたっての退去の交渉を行ない、困難な状況の中退去が確定できたことで、売却できました。
売却価格 2,400万円
神奈川県 長田様(仮名)の場合
「養育費代わりの住宅ローン、再婚で生活費圧迫」
年齢 48歳
職業 会社員
家族 離婚(妻・子)
住所 神奈川県
養育費代わりに住宅ローンを支払う約束で3年前に協議離婚した永田様(仮名)しかし、再婚が決まり今の生活費と養育費代わりの住宅ローンの両方は厳しくなり、ついには滞納するようになりました。
返済は今後も厳しく、売却してローンをなくしたいのですが…
残債 1,300万円
・養育費代わりに月額10万円の住宅ローンを支払うという約束で、3年前に協議離婚
・自宅には妻と子供が残り、自身はマイホームを出て行く。
・その後に再婚することが決まるが、生活費が厳しく住宅ローンを滞納。
・今の家を売却して住宅ローンをなくしたい。
「元妻との交渉にも協力してもらえことでスムースに解決できたことが一番嬉しかった。これからの新生活も頑張れそうです。」
元奥様とお子様に元ご主人の事情を説明したところ、当初は売却を拒否されましたが、引越費用負担や売却後における生活費補助等の交渉を粘り強く行った結果、協力を取り付け、無事売却に至りました。
成約価格は1,300万円の残債に対して1,350万円。住宅ローンも完済し、新生活を頑張ると喜んでおられました。
売却価格 1,350万円
東京都 志村様(仮名)の場合
「元嫁が家から出て行かず任意売却が進まない」
年齢 52歳
職業 会社員
家族 離婚(妻・子)
住所 東京都
離婚時の約束で、住み続ける妻のために3年間は遅れながらも住宅ローンの支払いを続けた志村様(仮名)しかし限界が来たため売却したいと元妻に申し出たが「絶対に出ていかない!!」との一点張りで…。
残債 2,400万円
・3年前に離婚。マンションの名義は夫100%で債務もすべて自分。
・子供の学校のこともあり、元妻はそのまま住み続けたいと希望。
・その後3年間は元夫がローンを払っていくことで合意。
・そのうちに影で借金を重ね給料も管理し生活費を入れなくなり離婚を決意。
・共有名義と連帯債務なので、この離婚のタイミングで名義変更をご希望。
奥様にもご協力いただき、無事に売却できました。
当事者同士だと感情論になってしまい、前に進みませんでしたが、元奥様とお会いし、現状を説明。
第三者が入るとお互いに感情を抜きにして損得や世間体を優先して考えられたりするものです。当初あれだけ話を聞き入れなかった元奥様からも、感謝のお言葉を最後にはいただきました。
売却価格 2,650万円
神奈川県 鳥越様(仮名)の場合
「ギャンブルで借金の夫から離婚し住宅ローンの連帯債務外したい」
年齢 43歳
職業 会社員
家族 子(夫:離婚)
住所 神奈川県
共有名義、連帯債務でマンション購入の鳥越様、昔からギャンブル好きの夫が借金を積み重ね挙げ句生活費も入れなくなり離婚を決意。離婚を機に名義変更を希望されましたが…。
残債 2,600万円
・10年前に共有名義&連帯債務で3,500万円のマンションを購入。
・家の購入をきっかけに奥様が給料を管理し、そこで夫の借金が発覚する。
・夫のギャンブルで総額300万円が消える。家計を切り詰め借金を返済。
・そのうちに影で借金を重ね給料も管理し生活費を入れなくなり離婚を決意。
・共有名義と連帯債務なので、この離婚のタイミングで名義変更をご希望。
離婚しても「連帯債務者」というのは原則外すことは出来ません。このままでは期限の利益が喪失することになり、一括での返済を求められ、一括での返済が払えないと競売申立てをされることになります。
住宅ローンの残債務は、2,600万円でしたが、査定してみると、売却価格で全額の返済が可能な査定価格の物件だと判断。ご主人ともお会いし、面談させて頂き、これからのことを考慮し、早期に売却することで合意しました。
売り出し価格は、2,780万円。滞納して6ヶ月を過ぎてしまうと、「期限の利益」を喪失してしまうので、苦しいながらも何とかローン返済を続けながら売出しをしました。
余裕はありませんでしたが、売出し2ヶ月で2,750万円で売却でき、見事に住宅ローンは全額返済できました。
多少残った引越し費用で近くの賃貸マンションに引越し、ご主人は千葉の実家へ引越しをしました。
「住宅ローンを完済し、離婚後の借金が綺麗に0になったことが本当に良かった…」と言って頂きました。
売却価格 2,750万円
東京都 篠崎様(仮名)の場合
「離婚調停中の夫が破産。ある日突然、競売開始決定通知書が届く!」
年齢 47歳
職業 会社員
家族 子2人(夫:離婚)
住所 東京都
夫が離婚調停中に自己破産…住宅ローンが期限の利益の喪失になり一括請求となる。子供も2人いるためそのまま住み続けたいがどうすればいいでしょう…
残債 3,600万円
・夫との共有名義、債務は夫が主債務者で妻が連帯保証人。
・夫が出て行き今は養育費などについて離婚調停中の状態。
・その夫が離婚調停中に自己破産。住宅ローンは期限の利益を喪失する。
・一括請求されるも払えず、競売開始決定通知書が届く。
・お子さまも2人おられ、できれば今の家に住み続けたい。
このままでは競売になり、篠崎様は連帯保証人ということもあり、少しでも高く売却して債務を減らすように任意売却を提案。夫側の弁護士とも連絡を取り任意売却することの合意を取る。
抵当権者とは3,500円での販売開始で合意。競売での売却基準価格が2,100万円でしたので、任意売却で少しでも債務を減らすように活動し、最終3,300万円で売却。債務は300万円残りましたが、無理のない分割返済で合意することが出来ました。
その後、離婚が成立し、養育費が支払われることになりました。これからの生活は大変ですが、最悪の結果にはならなかったので、前向きにがんばっていただきたいです。
売却価格 3,300万円
事態は緊急性のある場合がほとんど
【関西相談員 古家 充久】
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元ご主人がすでに滞納を重ねてどうしようも無くなって発覚する…というようなケースがほとんどで、すでに分割返済する権利である「期限の利益」を喪失し、一括返済を求められている、競売開始決定通知が届くなどの猶予のない状態です。
離婚する、またはされた段階で早めにご自宅の処分などをご相談頂くのが一番いいのですが、この様な事態になった場合は、すぐに私たちのような専門家にご相談下さい。
無料相談窓口を利用するなど、まずはすぐにでも相談することをおすすめ致します。
お互い顔を合わせたくない…
エイミックスがお二人の間を取り持ちます。
住宅ローンの問題が大きくなってしまったケースでは、「顔を合わせたくない」「面倒になり連絡もしていない」など連絡をとって確認する、解決に取り組むことをしていなかった事が原因の場合がほとんどです。
そんな場合は、私たちが夫婦お二人の間に入って話を進めることも可能です。『相手にもう関わりたくない』『相手に連絡しづらい』といったことなどから問題を後回しにしてしまわないために、手遅れになる前に、まずはお気軽にご相談ください。
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