他社に断られた任意売却。売れにくい物件の特徴と、それでも解決できる理由
任意売却 / 滞納
「再建築不可だから任意売却は無理と言われた」
「借地権付きの物件は買い手がつかないと断られた」
「他の業者に相談したが、うちでは扱えないと言われてしまった」
こうした相談がエイミックスには多く寄せられます。
住宅ローンの滞納・競売の危機という切迫した状況の中で、さらに「物件に問題がある」と言われてしまう。これは二重の苦しさです。
しかし、「売れにくい物件」と「売れない物件」は別物です。この記事では、任意売却が難しいとされる物件の特徴と、それでも解決できる理由を、任意売却専門22年のエイミックスが実務の観点から解説します。
📋 この記事でわかること
1. なぜ「売れにくい物件」が任意売却で問題になるのか
任意売却では、売却代金から住宅ローンの返済に充当できる金額を確保することが条件です。そのため、売却価格が低くなりやすい物件は、金融機関との交渉が難航しやすく、通常の任意売却より高度な専門知識と交渉経験が必要になります。
一般の不動産会社が「扱えない」と断る理由は主に2つです。
| 断られる理由 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 買い手が見つからない | 再建築不可・借地権・旗竿地など、一般市場での流通性が低い物件は、通常の不動産会社のルートでは買い手が見つかりにくい |
| 金融機関との交渉が難しい | 売却価格が低くなる特殊物件では、金融機関が同意しない場合がある。交渉経験がないと成立させられない |
💡 「断られた」=「無理」ではない
- 専門業者のネットワークと交渉力が解決の鍵
- 一般の不動産会社が扱えない物件でも、特殊物件の買い手ネットワークを持ち、金融機関との交渉経験が豊富な専門業者であれば対応できるケースが多くあります。「他社に断られた」という状況でも、諦める前に任意売却専門業者に相談することをお勧めします。
2. 再建築不可物件の任意売却
再建築不可物件とは、現在の建物を解体すると、法律上新たな建物を建てられない土地のことです。主な原因は「接道義務」を満たしていないことです(建築基準法上、幅員4m以上の道路に2m以上接している必要がある)。
任意売却での課題
- 住宅ローンの担保評価が通常物件より低く設定されることが多い
- 一般の買い手が住宅ローンを組めないため、現金購入できる投資家や業者に買い手が限られる
- 売却価格が低くなりやすく、金融機関が「回収額が少なすぎる」と難色を示すことがある
解決のアプローチ
再建築不可物件を任意売却で解決するポイント
- 再建築不可・築古物件専門の投資家へ直接打診──通常の不動産ポータルではなく、専門業者のネットワークを活用
- 隣地所有者への売却交渉──隣地と合わせることで接道義務を満たせる場合があり、隣地所有者が高値で購入するケースがある
- 現況のまま売却──リフォーム不要で、「古家付き土地」として売り出す方法
- 金融機関への現実的な価格での交渉──競売評価額を示しながら「任意売却の方が有利」と説明し、低めの売却価格でも同意を得る
3. 借地権・底地付き物件の任意売却
借地権とは、地主から土地を借りて建物を所有する権利です。住宅ローンの担保は建物(と借地権)に設定されますが、土地そのものは地主のものです。底地(土地部分)が別の所有者にある場合、売却時に特有の問題が生じます。
任意売却での課題
- 売却には原則として地主の承諾が必要(借地権の譲渡承諾)
- 地主が承諾しない・承諾料が高すぎる場合、売却が難航する
- 担保価値が所有権物件より低く評価されることが多い
- 買い手が敬遠するケースが多く、売れるまでに時間がかかりやすい
解決のアプローチ
借地権物件を任意売却で解決するポイント
- 地主との事前交渉──早期に地主に連絡し、承諾料の折り合いをつける。借地権・底地を同時に売却する「合併売却」も有効
- 地主への売却提案──地主自身が建物を買い取ることで、土地を完全に取り戻せるメリットを伝える
- 借地権専門の買い手への打診──借地権物件を専門に扱う投資家・業者へのルートを活用
- 裁判所による借地権譲渡許可申立て──地主が承諾しない場合、借地権者(債務者)本人が裁判所に許可を求める手続きがある(借地借家法第19条)。この手続きは弁護士への依頼が必要
「他社に断られた」物件でも、まずご相談ください
特殊物件の任意売却は、経験と買い手ネットワークが解決の鍵です。22年の専門実績でサポートします。
4. 旗竿地・接道不備の物件の任意売却
旗竿地(はたざおち)とは、道路から細長い通路を通って奥にある土地のことです。再建築不可とまではいかないものの、接道幅が狭い・日照や通風の問題・駐車が難しいなど、売却価格に影響する要因が重なりやすい物件です。
任意売却での課題
- 通路部分の幅員・隣地との関係によっては再建築に制限がかかる場合がある
- 一般の買い手が敬遠しやすく、売却に時間がかかる
- 価格が周辺相場より低くなり、金融機関との折り合いがつきにくいことがある
解決のアプローチ
- 隣地所有者への売却打診──隣地と合わせることで土地の価値が大幅に上がるケースがある
- 再建築できる条件の確認──接道幅の計測や道路種別の確認を正確に行い、実際の建築可否を把握した上で売り出す
- 現況での売却価格設定──周辺相場との差を明確にし、金融機関に対して「競売になった場合のリスク」と比較して説明する
5. ゴミ屋敷・残置物が大量にある物件の任意売却
長期間の生活困窮や高齢化、精神的な問題などから、室内に大量のゴミ・残置物が蓄積した状態の物件は、任意売却の買い手探しで課題が生じます。ただし、こうした物件こそ、専門業者ならではの対応力が問われる場面でもあります。
任意売却での課題
- 内覧時の印象が悪く、一般の買い手が敬遠する
- 残置物撤去費用が発生し、売却代金からの配分交渉が複雑になる
- 残置物撤去費用は原則として債権者が認めないケースもあるため、費用負担の調整が必要
解決のアプローチ
- 残置物ありのまま買い取る投資家・業者への打診──現況渡しで買い取る専門業者のルートを活用することで、撤去費用の問題をクリアできる場合がある
- 残置物撤去費用の扱い──残置物撤去費用は売却代金からの控除が原則として認められない費目ですが、状況によっては債権者に相談できるケースもあります。まずは専門業者に実態を確認することが重要です
- 売買契約書の特約条項での対応──「現況渡し・残置物は買主処分」という特約を設けることで、撤去費用を買主側が負担する形での売却も可能
6. 投資用マンション(サブリース付き)の任意売却
投資用マンション、特にサブリース契約(管理会社が物件を一括借り上げして入居者へ転貸する仕組み)が付いている物件は、任意売却の最大の障壁の一つです。エイミックスには、このケースの相談が多く寄せられています。
なぜサブリース付き物件は難しいのか
⚠️ サブリース契約が任意売却の障壁になるメカニズム
- サブリース契約は「借地借家法」で借主(管理会社)が強く保護されており、オーナーが一方的に解除しにくい
- サブリース付きの物件は、買い手が管理会社との賃貸契約を引き継ぐ必要があり、買い手が限られる
- サブリース賃料が市場家賃より低い場合、利回りが悪くなり、投資家への売却価格が下がる
- 管理会社がサブリース解除に応じない場合、売却価格が大幅に低くなるリスクがある
解決のアプローチ
- 管理会社との解約交渉──サブリース契約の解除条件・違約金を確認した上で、解約交渉を進める。エイミックスでは、これまで何度もサブリース業者と直接交渉し、解除を実現した実績があります(サブリース解除交渉は不動産会社が行う業務です)
- サブリース付きのままオーナーチェンジ物件として売却──サブリース契約を引き継ぐ条件で、利回りを重視する投資家に打診する方法
- 管理会社自身への売却打診──管理会社がオーナーになることで解決するケースもある
7. 競売直前(開札1ヶ月前以内)の緊急案件
「競売の通知が届いてしばらく経っていた」「他の業者に相談していたが売れなかった」という状況で、競売の開札日(入札結果が決まる日)まで1ヶ月を切っているケースは、任意売却の中でも最も難易度が高い案件です。
なぜ競売直前は難しいのか
- 販売活動に使える時間が極めて限られる
- 開札日までに決済を完了させなければ任意売却は成立しない
- 金融機関(サービサー)への申し出・書類準備・売却活動・契約・決済をほぼ同時並行で進める必要がある
それでも諦めてはいけない理由
⚠️ 開札前日まで任意売却に切り替えられる場合がある
- 「もう間に合わない」と思ったときに連絡してください
- 開札日の前日までは、申立人である債権者(金融機関・サービサー)が競売を取り下げることができます。任意売却が成立する見込みがあれば、債権者も競売より高く回収できるため取り下げに応じるケースがあります。エイミックスでは、こうした緊急案件を数多く扱ってきた経験があります。「残り〇日」という状況でも、まず電話でご連絡ください。可能性があるかどうかを即座に判断し、動き始めます。
8. 「他社に断られた」物件でもエイミックスが解決できる理由
なぜエイミックスは、一般の不動産会社や他の任意売却業者が断った物件を解決できるのでしょうか。その理由は3つあります。
特殊物件専門の買い手ネットワーク
再建築不可・借地権・築古・ゴミ屋敷・旗竿地など、一般市場では流通しにくい物件を専門に扱う投資家・買い取り業者との独自ネットワークがあります。一般の不動産ポータルサイトに載せるだけでは解決しない案件でも、直接打診のルートが機能します。大阪市で「任意売却は不可能」と他社に断られた物件を、こうしたネットワークで成立させた実績があります。
22年で培った金融機関との交渉経験
任意売却の成否を最終的に決めるのは、金融機関(サービサー)との交渉です。「この物件でこの価格なら応じる」という感覚は、数千件のやり取りの中で培われます。売却価格が低い特殊物件でも、「競売になった場合の落札予測額」と比較しながら、金融機関が同意しやすい根拠を丁寧に示すことができます。
弁護士・司法書士との連携体制
借地権の裁判所許可申立てや、競売直前の申立て取り下げ交渉、売却後の残債整理など、法律的な手続きが絡む案件では弁護士・司法書士との連携が不可欠です。エイミックスでは、こうした専門家と日常的に連携する体制が整っており、不動産売却と法律手続きをワンストップで進めることができます。なお、サブリース解除交渉はエイミックスが不動産会社として直接対応します。
💡 「断られた理由」を聞かせてください
- 理由によって、解決策は変わります
- 「他社に断られた」という場合でも、その理由が何かによって対処法は異なります。「買い手が見つからない」「金融機関が同意しない」「サブリースが解除できない」「競売まで時間がない」──それぞれに適切なアプローチがあります。まずは状況をお聞かせください。
9. よくある質問(FAQ)
- Q. 再建築不可物件でも住宅ローンを組んで購入した場合、任意売却はできますか?
- はい、できる場合があります。住宅ローンが組めた物件であれば、金融機関も担保として認めています。ただし、売却価格が一般物件より低くなるため、金融機関との交渉がより重要になります。再建築不可物件専門の投資家・業者への打診ルートを持つ任意売却専門業者に相談することをお勧めします。
- Q. 借地権付き物件で地主が売却に同意しない場合、どうなりますか?
- 地主の承諾が得られない場合でも、裁判所に「借地権譲渡許可の申立て」を行うことで、裁判所の許可を得て売却できる場合があります(借地借家法第19条)。この手続きは弁護士への依頼が必要です。エイミックスでは、状況に応じて弁護士のご紹介も可能です。
- Q. 室内がひどい状態(ゴミ屋敷)でも内覧してもらえますか?
- 内覧が難しい場合は、現況渡しで買い取る投資家・業者への直接打診という方法があります。内覧なしで物件情報と写真のみを元に価格交渉するルートも活用できます。残置物のある物件の売却経験が豊富な業者に依頼することが重要です。
- Q. サブリース契約中の投資マンションを任意売却したいが、管理会社が解除に応じません。
- 管理会社が解除に応じない場合でも、サブリース付きのまま売却(オーナーチェンジ)という方法があります。また、エイミックスではサブリース業者との解除交渉に実績があります。まずはサブリース契約書の内容(解約条件・違約金・期間)を確認した上でご相談ください。
- Q. 競売の開札まで2週間しかありません。今から任意売却はできますか?
- 非常に厳しい状況ですが、開札前日まで可能性はあります。まず第一にエイミックスへすぐにご連絡ください。申立人である債権者(サービサー)が競売を取り下げ、かつ開札日前に決済が完了できれば、競売を回避できます。残された時間と物件の状況を確認した上で、可能かどうかを正直にお伝えします。
10. まとめ・チェックリスト
「売れにくい物件」の任意売却のポイントをまとめます。
- ☑ 再建築不可・借地権・旗竿地などは売却価格が低くなりやすく、交渉難易度が上がる
- ☑ ゴミ屋敷・残置物大量の物件は、現況渡しで対応する投資家ルートが有効
- ☑ サブリース付き投資マンションは、解除交渉またはオーナーチェンジ売却の2つのアプローチがある
- ☑ 借地権物件は地主との交渉が鍵。裁判所の許可申立てという手段もある(弁護士への依頼が必要)
- ☑ 競売直前でも開札前日まで任意売却に切り替えられる可能性がある
- ⚠ 「他社に断られた」は「無理」ではない。特殊物件の経験・ネットワーク・交渉力を持つ専門業者に改めて相談を
- ⚠ 借地権の裁判所申立て・残債整理など法律が絡む部分は弁護士・司法書士の業務。専門家との連携体制がある業者を選ぶことが重要
確認チェックリスト
- □ 物件の接道状況・再建築の可否を確認したか
- □ 借地権の場合、地主への連絡・承諾の見通しはあるか
- □ サブリース契約の有無・解約条件を確認したか
- □ 競売の進行状況(現在のステップ・開札日)を把握しているか
- □ 「他社に断られた理由」を整理して専門業者に伝える準備はできているか

この記事の監修・相談回答
細貝 和弘(ほそがい かずひろ)
宅地建物取引士 / 公認不動産コンサルティングマスター / 2級FP技能士
「他社に断られた」というご相談は、実は得意分野です。断られる理由が分かれば、突破口が見えてきます。再建築不可でも、借地権でも、競売直前でも、22年の経験の中で解決してきた案件は少なくありません。諦める前に一度話を聞かせてください。
「この物件は無理」と言われた方へ。まずご連絡ください
特殊物件の任意売却は、経験と専門ネットワークが解決の鍵です。可能性の有無を正直にお伝えします。




























