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任意売却かリースバックか。住み続けたい人が先に知っておくべき判断基準

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任意売却とリースバックの分かれ道で考える夫婦
「住み続けたい」という気持ちは同じでも、状況によってリースバックが正解とは限りません。

「できれば今の家に住み続けたい。リースバックがいいのか、任意売却がいいのか…」
「リースバックという言葉をよく聞くが、任意売却とどう違うのかわからない」
住宅ローンの返済に行き詰まったとき、こうした迷いを抱える方は少なくありません。
結論から言えば、「住み続けたい=リースバック一択」ではありません。収入状況・ローン残債・家賃の支払い能力・将来の生活設計によって、どちらが適切かは大きく変わります。また、リースバックが使えないケース・使っても後で行き詰まるケースも少なくありません。
この記事では、任意売却専門22年のエイミックスが、両者の仕組みと違い・選ぶ際の判断基準を実務の観点から整理します。

1. 任意売却とリースバック、それぞれの仕組み

まず、両者の基本的な仕組みを整理します。

任意売却とは

住宅ローンの残債が売却価格を上回るオーバーローンの状態でも、債権者(金融機関)の同意を得て不動産を売却する方法です。売却後は家を出て新しい住まいに移り、残債については金融機関と返済条件を協議します。

リースバックとは

不動産を売却した後、その不動産を買主(不動産会社・投資家など)から賃貸して住み続ける方法です。「売却+賃貸」を組み合わせた仕組みで、売却代金を受け取りながら同じ家に住み続けられることが最大の特徴です。

📐 任意売却とリースバックは組み合わせられる

リースバックは通常売却でも任意売却でも活用できる
リースバックは、通常売却でも任意売却でも活用できる独立した仕組みです。住宅ローンが残ったまま売却が必要な場合、「任意売却+リースバック」という形で、家を売りながら住み続けることを目指す選択肢があります。ただし、これができるかどうかは残債・物件・債権者の意向など状況によって大きく異なります。

2. 両者の主な違いを比較する

任意売却(転居あり)とリースバック(住み続ける)の主な違いを整理します。

比較項目任意売却
(転居)
リースバック
(住み続ける)
売却後の住まい新たな賃貸・実家など同じ家に住み続ける
売却価格市場価格に近い額市場価格より低くなりやすい
(物件・条件によって異なる)
売却後の費用引っ越し費用・新居の初期費用毎月の家賃が発生する
(周辺相場より高めになりやすい)
子どもの学校・
生活環境
転校・転居の必要あり変わらない
周囲への公示近隣に知られにくい住み続けるため表向き変化なし
将来の買い戻し基本的に難しい条件次第で可能な場合あり
残債の扱い売却後に返済協議売却価格が低いため残債が多く残りやすい
成立のしやすさ比較的成立しやすい条件が合わず断られることも多い

この比較から見えるのは、リースバックは「住み続けられる」メリットが大きい反面、売却価格が低くなりやすく、毎月の家賃という新たな負担が生まれるという点です。売却後の家計が安定して家賃を払い続けられるかどうかが、最大の判断ポイントになります。

3. リースバックが向いているケース

以下のような状況であれば、リースバックを前向きに検討できます。

ケース 1

子どもの学校・受験など、転居が難しいタイミングがある
中学受験・高校受験・大学受験など、転居による学校変更が子どもに大きな影響を与える時期は、住み続けることの価値が高くなります。ただし「数年間だけ住み続けたい」という明確なゴールがある場合に限り、家賃負担とのバランスを慎重に検討することが重要です。

ケース 2

売却後も安定した収入があり、家賃を継続的に払える見通しがある
リースバック後の家賃は、一般的に周辺の賃貸相場より高めに設定されます。売却後も安定した収入があり、その家賃を無理なく払い続けられる状況であれば、リースバックは現実的な選択肢になります。

ケース 3

将来的に買い戻しの可能性がある
「今は資金が不足しているが、数年後には買い戻せる見込みがある」という場合、買い戻し条件付きのリースバック契約を検討できます。ただし買い戻し価格は売却価格より高くなることが一般的で、契約条件を事前に詳細まで確認することが必須です。

ケース 4

高齢で新たな賃貸契約が難しい状況にある
高齢者は賃貸審査に通りにくいという現実があります。新たな引っ越し先を確保するのが困難な場合、住み慣れた家にそのまま住めるリースバックの価値は高くなります。ただし、高齢者のリースバックには特有のリスクもあるため、詳細を確認した上で判断してください。

4. 任意売却(リースバックなし)が向いているケース

一方、以下のような状況では、リースバックにこだわらず任意売却で転居した方が、その後の生活再建がスムーズになります。

ケース 1

売却後に家賃を払い続ける余裕がない
住宅ローンが払えなくなっている状況で、さらに毎月の家賃を払い続けることが家計的に困難な場合は、リースバックを選んでも後で賃料を滞納し、退去を余儀なくされるリスクがあります。「住み続けたい」という気持ちは理解できますが、無理な家賃負担は問題を先送りするだけになりかねません。

ケース 2

ローン残債が多く、売却価格でカバーしきれない
リースバックは売却価格が市場価格より低くなる傾向があるため、残債が多いほど売却後に残る残債が大きくなります。任意売却で市場価格に近い額で売却した方が、残債を少なく抑えられる場合があります。

ケース 3

転居することで生活コストを大幅に下げられる
現在の家が広すぎる・維持費がかかるなど、転居することで家賃・生活費を下げられる場合は、任意売却で転居した方が生活再建のスタートラインとして合理的なケースがあります。

ケース 4

債権者がリースバックに同意しない
任意売却においてリースバックを行うには、債権者の同意が必要です。残債が多い・物件の状況・買主の条件などによっては、債権者がリースバックを伴う売却に難色を示す場合があります。この場合、リースバックは選択できません。

5. リースバックが使えない・後で行き詰まるケース

「リースバックで住み続けたい」と希望しても、現実的に難しいケースや、成立した後に問題が起きやすいケースがあります。事前に把握しておくことが重要です。

⚠️ リースバックが使えない・難しいケース

売却価格がローン残債を大幅に下回る場合
リースバックの買主は売却価格より低い額で購入し、家賃収入で利益を得るビジネスモデルです。そのため、売却価格はさらに低くなります。残債が多い場合、債権者が承諾できる最低売却価格に届かず、リースバックが成立しないことがあります。
物件の状態・立地によって買主がつかない場合
老朽化した物件・賃貸需要が低い地域・管理費滞納が多いマンションなどは、リースバックの買主がつきにくい傾向があります。
競売の期限が迫りすぎている場合
リースバックは買主探し・契約条件の調整など通常の任意売却より手続きが複雑になるため、時間的余裕がない場合は成立が難しくなります。

⚠️ リースバック成立後に行き詰まるケース

家賃を払えなくなり退去を求められる
売却後の家賃は周辺相場より高めに設定されることが多く、住宅ローンが払えなかった状況と同程度かそれ以上の家賃負担になるケースもあります。家賃を滞納すると、通常の賃貸と同様に退去を求められます。「住み続けたい」という目的を達成するためには、家賃を継続して支払える経済的な裏付けが不可欠です。
オーナーチェンジにより退去を求められる
リースバックで売却した不動産は、その後買主がさらに別の投資家に売却する(オーナーチェンジ)ことがあります。新オーナーが「自己使用したい」などの理由で退去を求めるケースが、全国的にトラブルとして報告されています。契約時に「定期借家契約か普通借家契約か」を必ず確認してください。
買い戻し価格が想定より高く、結局買い戻せない
「将来買い戻せる」と期待していても、買い戻し価格が売却価格より大幅に高く設定されていたり、期間内に資金を用意できなかったりして、買い戻しができないケースがあります。買い戻し条件は契約前に必ず詳細を確認し、実現可能性を冷静に評価することが重要です。

「任意売却かリースバックか」まず状況を整理しましょう

どちらが適切かは個々の状況によって異なります。専門家が一緒に整理します。

6. 判断のための5つのチェックポイント

任意売却とリースバック、どちらを検討すべきかを判断するための5つの問いかけです。正直に答えることで、現状に合った方向性が見えてきます。

チェックポイント「はい」の場合「いいえ」の場合
① 売却後も毎月の家賃を
継続して払える収入がありますか?
リースバックを検討できる任意売却(転居)が現実的
② 住み続けなければならない
明確な理由がありますか?
(子の受験・介護など)
リースバックの優先度が上がる任意売却でも問題ない可能性あり
③ 「住み続けたい期間」に
ゴールがありますか?
期間限定のリースバックを検討長期家賃リスクに注意が必要
④ ローン残債は売却見込み額の
8割以内に収まりますか?
リースバックが成立しやすい債権者が承諾しない可能性あり
⑤ 将来的に買い戻す
現実的な見通しがありますか?
買い戻し条件を確認した上で検討買い戻しに期待しすぎない判断を

💡 「住み続けたい」気持ちと「住み続けられる」現実を分けて考える

感情と現実の両方を整理することが重要
住み慣れた家への愛着・子どもへの影響・近隣への体裁など、住み続けたい理由は人それぞれです。その気持ちは大切にしながらも、売却後の家賃を何年間払い続けられるか、という現実的な試算を必ず行ってください。「住み続けたい」という気持ちだけでリースバックを選び、数年後に家賃を払えずに退去することになると、任意売却で転居した場合より生活再建が難しくなります。
どちらが正解かは状況によって異なります。まず現状を専門家と一緒に整理することをお勧めします。

7. よくある質問(FAQ)

Q. リースバックを希望すると、任意売却の成立が難しくなりますか?
リースバックを条件に加えることで、買主の選択肢が狭まり、成立までに時間がかかるケースはあります。また、リースバック前提の売却価格は通常の任意売却より低くなりやすいため、債権者の承諾を得られる価格に届かない場合は成立しません。「リースバック最優先」ではなく、「できればリースバックも検討したい」という姿勢で専門家と一緒に可能性を探ることをお勧めします。
Q. リースバックの家賃はどのくらいになりますか?
リースバックの家賃は、売却価格の6〜13%(年間)を基準に設定されます。たとえば1,000万円で売却した場合、年間賃料が6%なら月額約5万円(1,000万円×6%÷12か月)が目安です。ただし物件・地域・買主によって大きく異なります。周辺の賃貸相場と比較した上で、無理のない金額かどうかを確認することが重要です。具体的な家賃水準は、専門業者にご相談ください。
Q. 定期借家契約と普通借家契約、どちらが多いですか?
リースバックでは定期借家契約が多く使われます。定期借家契約は契約期間が満了すると更新されず、再契約できない場合もあります。一方、普通借家契約は更新が原則認められますが、リースバックでは採用されにくい傾向があります。契約前に「定期借家か普通借家か」「契約期間は何年か」「再契約の可否と条件」を必ず確認してください。
Q. リースバック業者は任意売却の専門会社に依頼すればよいですか?
任意売却が必要な状況でリースバックを希望する場合は、まず任意売却専門の不動産会社に相談することをお勧めします。リースバック専業の会社は存在しますが、任意売却の文脈ではローン残債・債権者との交渉・競売との時間的兼ね合いなど複雑な要素が絡むため、任意売却の実務経験がある会社が適切に対応できます。エイミックスでは、リースバックの可能性も含めて状況に応じた対応をご提案しています。
Q. 任意売却後、別の賃貸物件に引っ越せますか?
任意売却後は信用情報に傷がつくため、賃貸審査に影響が出る場合があります。ただし、賃貸審査は物件オーナー・管理会社によって基準が異なり、信用情報を参照しないケースや、保証会社の選択によって通過できる場合もあります。詳しくは任意売却後のブラックリストと信用情報の回復についてもご覧ください。

8. まとめ:迷ったら状況を整理することから

任意売却とリースバックの選択をまとめます。

  • ☑ リースバックは「任意売却の一形態」であり、状況によっては選択できないケースもある
  • ☑ リースバックの最大のメリットは「住み続けられること」だが、売却価格が低く家賃負担が生まれる
  • ☑ 「住み続けたい理由」と「住み続けられる現実(家賃支払い能力)」を分けて考えることが重要
  • ☑ 子の受験・高齢による引っ越し困難など明確な理由があり、家賃を払える見通しがある場合はリースバックを検討できる
  • ☑ 売却後の家賃を払えない見通しの場合、任意売却で転居した方が生活再建がスムーズなことが多い
  • ⚠ 定期借家契約によるオーナーチェンジ後の退去トラブルに注意。契約内容を事前に必ず確認する
  • ⚠ 「住み続けたい」気持ちだけでリースバックを選ぶと、家賃滞納→退去という最悪のケースになりかねない

「任意売却かリースバックか」という選択は、家計・残債・将来設計を総合的に判断する必要があります。一人で抱え込まず、まず現状を専門家に話してください。エイミックスでは、リースバックの可能性も含めて、あなたの状況に合った選択肢を一緒に整理します。

相談は無料・秘密厳守。任意売却専門22年の実績で、最善の対応策をともに考えます。

細貝相談員

この記事の監修・相談回答

細貝 和弘(ほそがい かずひろ)

宅地建物取引士 / 公認不動産コンサルティングマスター / 2級FP技能士

「住み続けたい」というご要望は当然の気持ちです。ただ実務上は、リースバックを選んだ結果、数年後に家賃を払えなくなって退去を余儀なくされるケースも目にしてきました。「住み続けたい」気持ちと「住み続けられる」現実、この両方を整理することが最初の一歩です。まず状況を話してください。

任意売却・リースバックのご相談はエイミックスへ

どちらが適切かを含め、22年の専門実績で状況に合った選択肢をご提案します。


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