任意売却の引越代は本当にもらえる?鵜呑みにする前に読む記事
任意売却 / 滞納 / 競売
「任意売却をすれば引越代がもらえる」という話を聞いたことがある方は多いと思います。たしかに、競売と比べると任意売却には引越費用を捻出できる可能性があります。しかし、「必ずもらえる」「高額保証」といった言葉を鵜呑みにすると、後で思わぬ落胆を招くことになります。
このページでは、引越代の仕組みと実態を、期待させることより正確に伝えることを優先する立場から解説します。エイミックスは相談社様の生活再建を最優先に、「見通しをありのまま伝えて一緒に考える」ことを大切にしています。
この記事の目次
そもそも引越代(配分金)とは何か
任意売却において「引越代」と呼ばれるお金は、正確には「転居費用の配分金」と言います。売却によって得られた代金の中から、債権者(銀行や保証会社)が「一部を引越費用として渡してもよい」と認めた場合にのみ、手元に残る仕組みです。
重要なのは、これが法律上の権利ではなく、債権者の裁量による承認だという点です。義務ではありませんので、認められない場合もあります。
引越代が発生する仕組み(イメージ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原資 | 不動産の売却代金 |
| 配分の優先順位 | ①登記費用・固定資産税の精算 ②抵当権者(銀行等)への返済 ③残余があれば引越代等へ配分 |
| 引越代の性質 | 債権者が「売却に協力してくれた対価」として認める任意の配分。法的な支払い義務はない。 |
| 一般的な金額の目安 | 認められる場合、10万〜30万円程度が多い |
なぜ債権者がこの費用を認めることがあるのかというと、任意売却は競売より高い価格で売れる可能性が高いからです。売却価格が高くなれば債権者の回収額も増えるため、相談者に「スムーズに引越して物件を引き渡してほしい」という動機が生まれます。
競売との違い:引越代の有無は大きな差
競売と任意売却の違いとして「引越代」はよく挙げられますが、その実態を正確に理解しておくことが大切です。
競売 vs 任意売却:引越費用の比較
| 比較項目 | 競売 | 任意売却 |
|---|---|---|
| 引越費用の配分 | 原則ゼロ 裁判所主導で売却されるため、転居費用が配分されることはほぼありません | 認められる可能性がある (ただし必須ではない) |
| 引越時期 | 落札後、裁判所の明渡命令に従い期日までに退去 | 債権者・買主との協議により柔軟に調整できる場合がある |
| 売却価格 | 市場価格の5〜7割程度になりやすい | 市場価格に近い価格で売れる可能性が高い |
競売になってしまった場合、引越費用は全額自己負担です。「引越代がもらえる可能性」は、任意売却を選ぶ理由のひとつではありますが、それだけを目的にするのではなく、トータルでの条件を比較することが重要です。
認められやすいケース・認められにくいケース
引越代が認められるかどうかは、ケースによって大きく異なります。「もらえるかどうか」を左右する主な要因を整理します。
認められやすい条件
- 売却価格が十分に確保できる場合(債権者の回収額が増えるため、配分の余裕が生まれる)
- 抵当権者が1社のみ(配分先が少なく、引越代に回せる余地がある)
- 物件の状態が良く、スムーズに買主が見つかる見込みがある
- 相談者が売却に協力的で、引渡しが円滑に進む状況
認められにくい条件
- 売却価格が低く、債権者の回収額がほとんど残らない場合
- 抵当権者が複数いる(各債権者への配分調整が複雑になり、引越代まで回せないことが多い)
- 固定資産税・住民税の滞納があり、差し押さえが入っている(役所への弁済が優先される)
- マンションの管理費・修繕積立金を大量に滞納している(管理組合への清算が必要になる)
- 競売の入札期日が迫っており、売却活動の時間的余裕がない
つまり、引越代が出るかどうかは「売却価格から全員に配分した後に余裕があるかどうか」という話です。物件の状況や負債の内容によって大きく変わるため、事前に専門家へ相談して見通しを把握することが不可欠です。
「引越代が出るかどうか」──まず現状をお聞かせください
物件の状況を確認したうえで、見通しをありのままお伝えします。相談料・着手金は一切不要です。
「高額保証」を謳う業者への注意
任意売却の相談を受け付ける業者のなかには、「引越代30万円保証!」「必ず引越費用をお渡しします」といった宣伝文句を使っているところがあります。しかしこれは、正確な情報とは言えません。
期待させることより、正確に伝えることを優先します
- 引越代は債権者が認めた場合にのみ発生する任意の配分金であり、法的に保証されるものではありません
- 「必ずもらえる」という約束は、どの業者にもできません
- 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の公式見解も「お渡しできる場合がある」という表現にとどまっています
- 「高額保証」を前面に出す業者は、受任のためにその言葉を使っている可能性があります。契約後に「やはりもらえなかった」となるケースにご注意ください
エイミックスでは、引越代が認められる可能性がある場合はその旨をお伝えしますが、見通しが難しい場合はそのままお伝えします。それが結果として、相談者の方にとって最善の対応につながると考えているからです。
引越代が出なかった場合の現実的な対応
「引越代が出なかった場合はどうすればいいのか」——これは多くの相談者が不安に思っている点ですが、競合他社を含め、この点について具体的に答えているページはほとんどありません。エイミックスは、売却後の生活再建まで視野に入れてお伝えする立場から、現実的な選択肢をご紹介します。
①生活保護の「住宅扶助・引越費用扶助」
生活保護を申請・受給している方、または受給要件を満たす方については、引越費用を扶助として受け取れる制度があります。金額や条件は自治体によって異なりますが、住居確保が困難な状況では優先的に検討すべき制度です。お住まいの市区町村の福祉事務所にご相談ください。
②社会福祉協議会の「緊急小口資金・総合支援資金」
低所得世帯や生活困窮状態にある方を対象とした、無利子または低利の貸付制度です。生活の立て直しに必要な資金として引越費用に充てることができる場合があります。制度の対象要件や貸付額は時期によって変更されることがあるため、現在の内容はお住まいの都道府県・市区町村の社会福祉協議会に直接ご確認ください。
③行政の住居確保給付金
離職や収入減少により住居を失うおそれがある方に対して、家賃相当額を一定期間支給する制度です。任意売却後の転居先の家賃支援として活用できるケースがあります。自立相談支援機関(市区町村の窓口)に問い合わせてみてください。
④任意売却の専門家への早期相談で「余裕のある売却活動期間」を確保する
最も根本的な対応は、時間的余裕がある早い段階で相談することです。売却価格を高くするためには買主探しの期間が必要です。期間が確保できれば配分の余地も生まれやすくなります。滞納が始まったばかりの段階でご相談いただくことが、引越代の可能性を最も高める方法です。
引越代が出ない場合の主な選択肢まとめ
| 制度・方法 | 対象・条件 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|
| 生活保護の引越費用扶助 | 生活保護受給者または受給要件を満たす方 | 市区町村の福祉事務所 |
| 緊急小口資金・総合支援資金 | 低所得・生活困窮世帯 | 都道府県・市区町村の社会福祉協議会 |
| 住居確保給付金 | 離職・収入減少により住居を失うおそれがある方 | 市区町村の自立相談支援機関 |
| 早期相談による売却価格の最大化 | 滞納初期〜競売開始決定前の方 | エイミックスへご相談ください |
まとめ:早めのご相談が選択肢を広げます
引越代についてのポイントを整理します。
- 引越代(配分金)は、売却代金から債権者が認めた場合に支払われる任意の費用です
- 競売では原則ゼロですが、任意売却では認められる可能性があります
- ただし「必ずもらえる」ものではなく、物件状況・負債の内容・売却価格によって変わります
- 「高額保証」を謳う業者の言葉は、鵜呑みにしないことをお勧めします
- 引越代が出ない場合でも、行政の支援制度を活用できる可能性があります
- 最大の対策は、早い段階でご相談いただき、売却活動に十分な時間をかけることです
住宅ローンの返済にお困りの方、任意売却を検討している方は、まずエイミックスへお気軽にご相談ください。引越代が出るかどうかを含め、あなたの状況を正直にお伝えしながら、最善の解決策を一緒に考えます。
「引越代が出るかどうか」──期待させるより、正確にお伝えします
「もらえるかどうかわからない」からこそ、早めにご相談ください。状況を確認したうえで、見通しをありのままお伝えします。相談料・着手金は一切不要です。

この記事の監修・相談回答
細貝 和弘(ほそがい かずひろ)
宅地建物取引士 / 公認不動産コンサルティングマスター / 2級FP技能士
「引越代は必ずもらえますか?」というご質問は、相談の場でも非常によくいただきます。もらえるかどうかは物件の状況や負債の内容によります。期待させることより正確にお伝えすることを優先していますので、まず現状をお聞かせいただければ、見通しを一緒に確認します。




























