土地を決済し家が建つ前に離婚することになったケース
マイホームを購入する際に土地と建物のセット売りの新築建売住宅ではなく、まず土地を購入してから建物を工務店やハウスメーカーで建てるという方法があります。
土地を買ってから建物を別で建てる場合は、まず全体のプランを出して全体の住宅ローン額を把握してから土地をつなぎ融資で先行決済します。そして建物の着工金や中間金、上棟金などもつなぎ融資で支払ったうえで最終的に建物引渡し時に全額をつなぎ融資の分も含めた全額を住宅ローンで一本化して決済する形になります。
この記事を読んでわかること
細貝 和弘(ほそがい かずひろ) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 2級フィナンシャルプランニング技能士 賃貸不動産経営管理士 相続診断士 大手不動産仲介会社の法人営業部の責任者として任意売却部門を立ち上げ。銀行や信用保証会社、債権回収会社および破産管財人弁護士のサポート、そして住宅ローンの返済に困窮した方々のお悩み300件以上をコンサルティングしてきた、いわば任意売却の専門家。 | ||
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実際にあった建物の完成を待たずして離婚したケース
もし、土地を買ってつなぎ融資で土地を先行決済したあと、夫婦喧嘩して離婚することになったような場合はどうすればいいのでしょうか?またどうなってしまうのでしょうか?
実際にあったご相談なのですがこのご相談者様は土地を契約したころから夫婦間が不仲になって建物の完成を待たずして早く離婚したいということでした。
ご相談者様の場合はご相談頂いたご主人が土地も建物も住宅ローンも全部単独名義で奥さんは連帯保証人でもなく権利関係上は関係ありませんでした。
そして奥さんは建物の完成を待たずして一度も入居することなく離婚届を置いて実家に帰ってしまったとのことでした。
ご主人からのご相談は今すぐに建物の決済を止めた方がいいのかというのが最初でした。
しかしもうすでに着工しており途中まで建築も進んでいたため今から止めるというのは不可能でした。そしてつなぎ融資とはいえ土地の名義はすでにご主人のものになってしまっていたため、建物の建築を違約金などを払って止めても中途半端な基礎だけある状態の土地が残されてもどうしようもなかったのです。
そこでこちらからのご提案としてはご主人にはいったん最後まで決済してもらい完成した土地建物の一戸建に引っ越してもらいました。
住宅ローンで最終決済しているため引っ越すことが大前提になるからです。その代わり奥さんと元々住んでいた賃貸マンションは引越と同時に引き払って解約しました。
なのでご主人だけで広い新築一戸建て住宅に引っ越した形になりました。
ただ元奥さんと住んでいた賃貸マンション時代の家賃よりも若干高い程度の住宅ローンの支払いでしたので当面は大丈夫とのことでそこに住み続けることにしたのでした。
仕事にはならなかったが最良の結末
それから2年後にたまたまご主人に連絡する機会があってどうされているのかを聞くと、なんと再婚されていて新しい家庭を持たれていました。
あのときそのまま建築を進めて良かったですとおっしゃっていました。
あなたがたに相談して本当に良かったと。
こちらとしてはご相談だけで終わってしまったので、それっきりで終わってしまい仕事にはならなかったワケですが、その時のご相談者様が後日このように新しい生活を築かれて喜んで頂けているのであればそれはそれでその時のアドバイスはアリだったのだなあと強く思っています。
世の中には怖い不動産会社がたくさんいて、相談を受けたらどうにかして売れるように強引に持っていこうとするところも多いので注意して欲しいです。
不動産会社としてはせっかくもらった相談で不動産が動かなければタダ働きになって儲からないので多少無理をしてでもその方向に持っていこうとする気持ちは同業者としてはよくわかります。
しかし長年いろいろな相談を受けてきていろいろな任意売却での不動産の売却を手掛けてきた経験から、やはり最後はご相談者様の利益というかよりよい今後のためというのを最優先したいと私は思います。
ご相談者様はそれこそ藁をもつかむ気持ちでご相談されているかもしれません。
もし私が悪意をもってご相談者様の意思を操作しようとすればおそらくできると思っています。
しかしそれをあえてやらないのは長い目で見てご相談者様の利益にならないことをやってこちらに利益をもたらしたとしてもそれは本当によいことにはならないと強く思っているからなのです。
数々の経験からあなたにとって最良な解決を考えます。
いろいろなタイミングで離婚や任意売却をお考えになることも人それぞれの事情であると思いますがそんな時にも経験豊富な当社にぜひご相談ください。
私たちはご相談者様にとって一番良い形での問題解決方法をご相談者様と一緒に一生懸命に考えます。