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空き家に住宅ローンが残っている場合の売却方法

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空き家と住宅ローンの残債
空き家に住宅ローンが残っている場合、通常の売却では担保が解除できず、売却がストップすることがあります。

親から相続した空き家に、まだ住宅ローンの残債(借金)が残っている、あるいは、転居後に前の家が売れ残ってしまい、ローンだけが重くのしかかっている――。

空き家の売却において、最も厄介な問題の一つがこの「ローン残債」です。売却額でローンを完済できれば問題ありませんが、特に築古の空き家では、売却額が残債を下回る「オーバーローン」になるケースが多々あります。

オーバーローンの状態では、不足分を自己資金等で補填できない限り、担保となっている抵当権が解除できず、通常の不動産仲介での売却は極めて困難になります。しかし、これは「売却を諦めるべき」という意味ではありません。
この記事では、住宅ローンが残る空き家を安全かつ円満に売却するための判断基準と、専門的な解決策である「任意売却」について、そのメリット・デメリットを詳しく解説します。

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細貝相談員の顔写真

監修

細貝 和弘(ほそがい かずひろ)

宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター/
2級ファイナンシャルプランニング技能士/賃貸不動産経営管理士/相続診断士

住宅ローンが残る空き家は、通常の不動産屋では対応が難しく、時間が経つほど事態は悪化します。特にオーバーローンの場合は、競売にかけられる前に、債権者(銀行など)と交渉し、市場価格に近い額で売却する「任意売却」が最善の解決策です。私たちは多くの金融機関との交渉実績があります。


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空き家売却の前提:アンダーローンか?オーバーローンか?

空き家に残っている住宅ローンを「完済できるか否か」で、取るべき戦略が全く異なります。

1. アンダーローン(売却額 > 残債)の場合

売却によって得た代金でローンを完済できる状態です。通常の不動産売却と同じ方法で問題ありません。完済後、銀行の抵当権が解除され、買主に所有権が移転します。

2. オーバーローン(売却額 < 残債)の場合

売却額がローン残債を下回り、完済の目途が立たない場合、抵当権を抹消できないため、実務上、引渡しを伴う売買の完了が困難となります。この状態を解決するためには、残ったローンを自己資金で補填して完済するか、債権者と交渉して売却後の残債の支払いについて合意(任意売却)を得る、あるいは他の債務整理手続きを検討する必要があります。

オーバーローンの空き家を売却するための2つの選択肢

オーバーローンの場合、そのまま放置すると「競売」に進んでしまいます。以下の2つのうち、現実的な選択肢を選ぶ必要があります。

選択肢A:残債を自己資金で補填し、通常売却する

足りない残債分を貯金などの自己資金で支払い、ローンを完済する方法です。最もシンプルですが、多額の現金を準備する必要があります。

選択肢B:債権者と交渉し、「任意売却」を行う

残債の支払いが困難な場合、住宅ローンを借りている銀行(債権者)と交渉し、売却代金では完済できないことを承知の上で、抵当権を解除してもらう手続きです。この売却方法を任意売却と呼びます。

  • メリット:市場価格に近い価格で売却でき、競売よりも高い手取りが期待できる。残った債務の支払い方法について柔軟に交渉できる。
  • デメリット:債権者全員の同意が必要で、交渉に専門知識が要る。信用情報に傷がつく(ブラックリストに載る)のは避けられない。

「任意売却」が競売より圧倒的に有利な理由

ローンの滞納が続くと、銀行は裁判所に申し立てを行い、最終的に「競売(けいばい)」によって物件を強制的に売却します。

項目任意売却競売
売却価格市場価格の80%~100%程度市場価格の40%~70%程度
残債の対応債権者と協議し、無理のない範囲で返済計画を立てられる。残債の一括返済が原則要求される。
周囲への影響通常の売買に見えるため、近隣に知られにくい。裁判所の入札広告などで、強制売却が近隣に知られる。
費用負担仲介手数料や登記費用を売却代金から捻出できる場合が多い。引越し代などは基本的に出ない。

よくある質問(ローン残債と売却編)

Q 任意売却をすると、引っ越し費用は自分で用意しなければなりませんか?
A 任意売却では、債権者(銀行など)との交渉により、例外的に売却代金の中から引越し費用(協力金)の配分が認められる可能性があり、これは任意売却の大きなメリットの一つです。ただし、必ず認められるものではない点に注意が必要です。
Q 任意売却は、どの不動産会社でも依頼できますか?
A いいえ。任意売却は、金融機関や債権回収会社との複雑な交渉が必要なため、専門的な知識と実績を持つ業者でなければ成功しません。通常の不動産仲介業者では、債権者との交渉ノウハウが不足しているケースがあります。債務整理を伴う売却は、交渉実績が豊富な専門業者へ相談することをお勧めします。

まとめ:競売の前に、まず専門家へ

住宅ローンが残る空き家、特にオーバーローンの場合は、時間との勝負です。放置すれば競売へと進み、資産価値が大きく毀損します。競売の通知が届く前に、債権者との交渉、価格の査定、売却戦略の立案を迅速に行う必要があります。
私たちエイミックスは、任意売却の経験豊富な専門家として、残債や税金の問題を円満に解決し、所有者様の新たな生活再建をサポートします。

「オーバーローン」の空き家売却は、専門家にお任せください。

ローンの滞納や競売通知が届いている場合は、一刻も早いご相談が必要です。
交渉実績豊富なプロが、市場価格に近い価格での売却をサポートします。

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