【8050問題】引きこもりの息子と同居中…親亡き後の「強制退去」を防ぐ任意売却
任意売却 / 滞納
「私たち夫婦が死んだら、無職の息子はどうなってしまうのか…」
80代の親が50代のひきこもりの子供を支える「8050問題(はちぜろごーぜろもんだい)」とも言われている問題です。
住宅ローンが残るご自宅にお住まいの場合、その不安は計り知れません。
親御さんは「せめて住む家だけは残してやりたい」と考えがちですが、実はその選択が、将来的に子供を「競売による強制退去」という最悪の事態に追い込む引き金になることをご存知でしょうか。
この記事では、8050問題を抱えるご家庭が、親亡き後もお子様が路頭に迷わないために今とるべき「任意売却」という選択肢について、生活再建の視点から解説します。

監修
細貝 和弘(ほそがい かずひろ)
宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター/
2級ファイナンシャルプランニング技能士/賃貸不動産経営管理士/相続診断士
8050問題のご相談では、単なる不動産売却だけでなく「その後の生活保護申請」や「転居先の確保」といった福祉的な視点が不可欠です。ご家族だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
なぜ「家を残す」ことが子供を苦しめるのか?負の相続メカニズム
親御さんが亡くなった後、住宅ローンが残っている家がどうなるか、シミュレーションしてみましょう。
1. 収入のない子供はローンを引き継げない
団信(団体信用生命保険)に入っていればローンは消えますが、団信未加入や、老後のリフォームローン、生活費のための不動産担保ローンが残っている場合、その債務は相続人に引き継がれます。
しかし、定職に就いていないお子様は、相続によって債務(ローン)を承継したとしても、債権者(金融機関)が相続人による返済継続を認めたり、新たな借入契約を承認することは、実務上ほとんどありません。結果として、ローン返済が滞り、債権者は担保権を実行(競売申立て)することになります。
2. 管理費・固定資産税の滞納が招く「競売」
仮にローンが無くても、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税の支払いは続きます。
親の年金という収入源が断たれたお子様がこれらを支払うことは困難です。結果として、マンションの管理組合が管理費滞納を理由に裁判所へ競売(強制執行)を申し立てたり、固定資産税の滞納により役所から財産を差押えられ公売にかけられたりして、家を失うケースが後を絶ちません。
ひきこもりの子供にとって「強制退去」は死活問題
競売落札後の「強制執行(強制退去)」は、社会との関わりを避けてきたお子様にとって、あまりにも過酷な現実です。
競売後の最悪のシナリオ
- 裁判所の執行官が鍵を開けて入室してくる
知らない大人が土足で自分のテリトリーに踏み込んでくる恐怖は、精神的に追い詰められたお子様にとってトラウマになります。 - 引越し費用も出ず、行き場を失う
競売の過程では、手続きそのものから引越し費用が支給されることは基本的に期待できません。そのため、引越費用や新居確保のための資金については、任意売却などで売却益を確保するか、自治体の福祉制度をあたる必要があります。それが叶わなければ、そのままホームレス状態に陥るリスクもあります。 - 賃貸審査に通らず、次の住居が見つからない
保証人がおらず、無職であるため、自力でアパートを借りることはほぼ不可能です。
親がいるうちに「任意売却」で環境を整えるメリット
親御さんがご存命のうちに任意売却を行うことは、決して「家を諦める」ことではなく、「子供が一人でも生きていける環境を用意する」ための前向きな準備です。
メリット1:まとまった現金を残せる可能性がある
任意売却では、市場価格に近い価格で売却できるため、競売よりも残債を多く減らせるだけでなく、債権者との交渉がまとまり、その承認が得られた場合に、「引越し費用」を配分として捻出できる可能性があります。
この現金は、お子様の新生活の命綱となります。
メリット2:売却と連動した生活サポート
ここが最も重要なポイントです。私たちエイミックスでは、あなたと同じような境遇の方の難しい案件をサポートしてまいりました。その経験から、単に物件を売るだけでなく、高齢者や無職の方でも入居可能な賃貸物件や、必要であれば生活保護についてなど、経験上からご説明することが可能です。
「家」というハード面だけでなく、「生活の基盤」というソフト面でも整えられるのは、専門業者ならではの強みです。
メリット3:近隣に知られずに静かに環境を変えられる
競売のように情報が公開されないため、「あの家は競売になった」と近隣に噂されることなく、プライバシーを守って転居できます。これは、人目を気にするお子様にとって大きな安心材料です。
エイミックスからの提案:リースバックという選択肢
「環境を変えるのが怖い」という場合は、家を売却した後も賃貸として住み続ける「リースバック」という方法も検討できます。
ただし、賃料の支払い能力などの審査が必要です。お子様の状況や将来の資金計画に合わせて、「転居して生活コストを下げる」か「リースバックで環境を維持するか」、最も持続可能なプランを一緒に考えましょう。
よくある質問(8050問題・親亡き後の住まい編)
- 親が死んだ後、無職の子供がそのまま家に住み続けることはできますか?
- 住宅ローンが完済されていれば可能ですが、管理費や固定資産税の支払いは続きます。ローンが残っている場合、団信で消滅しなければ相続人が返済義務を負いますが、無職ではローンの引き継ぎができず、最終的に競売になる可能性が高いです。
- 任意売却をした後、子供の次の住まいはどうすればいいですか?
- エイミックスでは、数多くのご事情のある売却をお手伝いしてきました。その経験から、状況に応じてにはなりますが、売却後の生活再建を考えて、生活保護なども含めた提案、賃貸物件探しのアドバイスなどさせていただくこともございます。
この記事のまとめ:親ができる「最後の片付け」
8050問題の解決において、時間は最大の敵です。親御さんが動けるうちに問題を先送りせず、任意売却を通じて「負の遺産」を整理し、「生活の受け皿」を用意すること。
それが、大切なお子様を守るための、親としてできる最後の、そして最大のプレゼントになります。
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「子供のことを相談するのは恥ずかしい」と思わないでください。
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