空き家が競売にかかる前に知っておくべきこと|回避策と任意売却という選択肢
任意売却 / 空き家問題 / 競売
「誰も住んでいないし、急がなくていいか」
「ローンさえ払っていれば大丈夫だろう」
空き家の所有者がこう思っている間にも、競売への道は静かに進んでいきます。
住宅ローンの滞納はもちろん、固定資産税の滞納・管理不全による行政指導・相続放置による権利関係の複雑化など、空き家特有の理由で競売にかかるケースが増えています。
この記事では、空き家が競売にかかる仕組みと流れ、そして競売を回避するための手段を、任意売却専門22年のエイミックスが解説します。
📋 この記事でわかること
1. 空き家でも競売にかかる。その理由とは?
「競売」というと、住んでいる自宅が差し押さえられるイメージを持つ方が多いですが、誰も住んでいない空き家でも、同じように競売にかかります。むしろ、空き家には「滞納が長期化しやすい」「気づくのが遅れやすい」という特有のリスクがあります。
空き家が競売になる主な3つの原因
| 原因 | 内容 | 見落としやすいポイント |
|---|---|---|
| ① 住宅ローンの滞納 | 空き家になった後もローン返済義務は継続。収入減少・相続などでそのまま滞納に | 「住んでいないから」と後回しにしがち |
| ② 固定資産税の滞納 | 空き家でも毎年税金が発生。2023年の法改正により、管理不全で「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定されると、税金の優遇が解除され固定資産税が実質最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。 | 放置すれば行政指導の対象となり、最終的には自治体から差し押さえを受けます。 |
| ③ 相続後の放置 | 相続登記が未了のまま複数の相続人が存在。ローン返済の責任者が曖昧に | 誰も把握していないうちに競売手続きが進む |
⚠️ 空き家特有のリスク:「気づくのが遅い」問題
- 誰も住んでいないため通知が届かない
- 競売の通知や差し押さえ通知が空き家に郵送されても、誰も気づかないまま手続きが進むケースがあります。転居届を出していない場合も同様です。
- 管理を怠ることで状態が悪化し、売却価格が下落
- 空き家のまま放置すると老朽化が進み、査定額が大幅に下がります。任意売却できる条件(売却額がある程度見込める状態)が失われるリスクがあります。
2. 【ルート別】空き家が競売になるまでの流れ
競売に至るルートは、原因によって異なります。ご自身の状況がどのルートに当てはまるかを確認してください。
ルートA:住宅ローン滞納 → 競売
金融機関から督促の電話・郵便
この時点で相談すれば、返済条件の変更(リスケジュール)や任意売却の検討が可能です。
期限の利益喪失通知が届く
残債の一括返済を求められます。保証会社が代位弁済を行い、債権が移転するケースもあります。この時点での任意売却相談が最も有効です。
裁判所への競売申立て・差し押さえ登記
裁判所から「競売開始決定通知書」が届きます。ここからでも任意売却は可能ですが、時間的余裕が急速に減ります。
現況調査・入札公告
執行官が物件を調査し、情報がネットや裁判所に公開されます。入札期間が始まると任意売却のタイムリミットが迫ります。
開札・落札者決定 → 強制退去
開札日の前日が任意売却の最終期限です。これを過ぎると競売を止めることはできません。
ルートB:固定資産税滞納 → 公売(競売と同様の強制売却)
固定資産税を滞納し続けると、住宅ローンとは別に自治体(市区町村)が差し押さえを行い、公売(こうばい)という形で強制売却されます。競売と同様、安値で売られ、残った税金も引き続き請求されます。
- 督促状 → 最終督促 → 差し押さえ(滞納から概ね1〜2年)
- 差し押さえ後も支払われない場合、公売の手続きへ移行
- 住宅ローンの抵当権がある場合は、競売と並行して手続きが進む
💡 固定資産税の滞納と住宅ローン滞納が「複合」するケースが最も危険
- 差し押さえが二重になると任意売却が困難に
- 金融機関の抵当権に加え、自治体の差し押さえ登記が入ると、任意売却の際に自治体との交渉も別途必要になります。エイミックスではこうした複合ケースの交渉実績もあります。
3. 競売になると空き家はどうなるのか
「どうせ住んでいないし、競売になっても仕方ない」と思っている方も、競売のリスクを正確に理解した上で判断してください。
| 競売のデメリット | 空き家の場合の影響 |
|---|---|
| 売却価格が安い (市場価格の60〜70%程度) | 空き家は老朽化が進んでいることが多く、競売評価額がさらに低くなりやすい。残債が大量に残るリスクが高まる。 |
| 情報が公開される | 物件所在地・ローン滞納の事実がネット・裁判所で公開される。近隣・親族に知られる可能性がある。 |
| 残債は消えない | 競売で安値売却された結果、多額の残債が残り、その後も返済請求が続く。 |
| 自分の意思が反映されない | 売却先・売却時期・売却価格、すべて裁判所・落札者が決める。引き渡し条件の交渉も不可。 |
| 連帯保証人にも影響 | 残債が残れば連帯保証人へ請求が及ぶ。家族・親族へのダメージが大きい。 |
4. 競売を回避する方法は「任意売却」一択に近い
競売を止めるための現実的な手段は大きく2つです。
- ①ローン残債を一括返済する→ 現実的に不可能なケースがほとんど
- ②任意売却を行う→ 多くのケースで唯一の現実的な選択肢
任意売却とは(空き家の場合)
任意売却とは、金融機関(債権者)の同意を得て、ローンが残ったままでも不動産を市場価格に近い金額で売却する方法です。空き家でも条件さえ整えば、自宅と同様に任意売却を活用できます。
競売との比較
| 任意売却 | 競売 | |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格の60〜70%程度 |
| 売却後の残債 | 生活状況に応じた現実的な返済計画を債権者に相談できる | 一括請求が原則であり、法的整理を余儀なくされることが多い |
| プライバシー | ほぼ知られない | ネット・裁判所に公開 |
| 売却時期・条件 | ある程度交渉できる | すべて裁判所・落札者が決める |
| 手持ち費用 | 原則、自己負担なし | 費用は売却代金から差し引かれる |
任意売却のタイムリミットを必ず把握してください
任意売却ができるのは、競売の入札期間開始日の前日までです。競売申立てから入札まで通常3〜4ヶ月ですが、任意売却には買主探し・審査・契約・決済と複数のステップがあり、実質的に動ける時間は1〜2ヶ月しかないことも珍しくありません。
5. 空き家の任意売却で気をつけること
空き家の任意売却は通常の自宅売却と比べ、いくつか注意すべき点があります。
① 老朽化・残置物が売却価格を下げる
長期間放置された空き家は、老朽化・雨漏り・害虫被害・大量の残置物などにより、査定価格が著しく低下していることがあります。任意売却を進めるにはある程度の売却見込み額が必要なため、できるだけ早い段階で査定を依頼することが重要です。
② 固定資産税の差し押さえが重なっている場合
住宅ローン滞納に加えて固定資産税も滞納している場合、自治体(市区町村)からの差し押さえ登記が入っていることがあります。この場合、自治体・金融機関の双方との交渉が必要になります。エイミックスでは、こうした複合的な差し押さえが絡むケースにも対応しています。
③ 相続人が複数いる場合は全員の同意が必要
空き家が相続財産で複数の相続人がいる場合、任意売却を進めるには共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すれば手続きが止まるため、早めに相続人間での意思統一を図ることが大切です。
④ 専門業者への依頼が不可欠
任意売却は通常の不動産売却と異なり、金融機関との交渉・差し押さえ解除・複数債権者の調整など高度な専門知識が求められます。一般の不動産会社では対応できないケースがほとんどのため、任意売却専門の不動産会社へ依頼することを強く推奨します。
6. エイミックスへの相談事例
「通知が実家に届いていて気づかず…。競売入札の2ヶ月前にエイミックスへ相談」
【相談時の状況】M様(60代・女性・大阪府)

※画像はイメージです
夫が単身赴任中に亡くなり、その後一人暮らしの不安から娘夫婦の家に転居したM様。実家は空き家のままにしており、住宅ローンと固定資産税の両方を数年間滞納していたことに気づいていませんでした。娘が郵便物を確認したところ、競売開始決定通知書を発見。入札まで残り約2ヶ月という状況でエイミックスへご相談いただきました。
【エイミックスの対応】
相談当日から動き始め、金融機関・自治体(固定資産税の差し押さえ)の双方と並行して交渉を開始。空き家の状態を確認した上で査定を実施し、迅速に売却活動へ。入札開始前に買主を確保し、競売の申立て取下げを申請。自治体の差し押さえについても、売却代金の一部を充当することで解除の合意を得ました。
【結果】競売を回避。無理のない範囲での返済を継続
任意売却が無事に成立し、競売を回避できました。売却代金から滞納していた固定資産税も精算。M様は、エイミックスが提携弁護士と連携して作成した配分案をもとに債権者の承諾を得て、現在は月額2万円の無理のない範囲で返済を継続されています。
7. まとめ:競売を回避するためのチェックリスト
空き家を所有している方、または空き家のローン・税金を滞納している方は、以下のチェックリストで現在の状況を確認してください。
- ☑ 空き家に届いている郵便物を定期的に確認している
- ☑ 住宅ローンの返済が滞っていないか確認している
- ☑ 固定資産税の納付状況を把握している
- ⚠ 競売開始決定通知書・差し押さえ通知が届いている場合は今すぐ相談を
- ⚠ 相続した空き家でローン・税金の責任者が曖昧な場合は早急に確認を
- 🚨 入札期間まで2ヶ月以内の場合は、今日中にエイミックスへ連絡ください
空き家の競売問題は、発覚したときには時間的余裕がほとんど残っていないケースが多くあります。「まだ大丈夫」と思って動かなかった結果、任意売却の機会を失ってしまう方を、エイミックスはこれまで多く見てきました。
少しでも不安や心当たりがある場合は、今すぐエイミックスの無料相談窓口にご連絡ください。
よくある質問
- Q. 競売開始決定通知書が届いた後でも、任意売却はできますか?
- はい、競売開始決定後でも入札期間開始前(厳密には開札日の前日)までは任意売却が可能です。ただし、通常の任意売却には3〜6ヶ月かかるため、競売が申立てられた時点で残された時間は非常に限られています。通知を受け取ったら、翌日には専門家へご相談ください。
- Q. 住宅ローンと固定資産税、両方滞納している場合でも任意売却できますか?
- ケースによりますが、対応できることがあります。金融機関(住宅ローン)と自治体(固定資産税)の双方に対して並行して交渉を行い、差し押さえを解除する必要があります。交渉経験のある専門業者への依頼が不可欠です。
- Q. 空き家が老朽化してボロボロでも、任意売却できますか?
- 建物の状態が悪くても、土地の価値がある場合は売却できるケースがあります。ただし、老朽化が進むほど査定額は低下し、金融機関の同意を得るためのハードルが上がります。早めの査定・早めの相談が解決への近道です。

この記事の監修・相談回答
細貝 和弘(ほそがい かずひろ)
空き家は「急がなくていい」という誤解が、問題を深刻化させる最大の原因です。競売通知が届いてから相談される方の多くが、あと数週間早ければ選択肢がもっとあったと悔やまれます。少しでも心当たりがある方は、「まだ大丈夫」と思う前に一度ご相談ください。状況を整理した上で、残された時間でできる最善策をご提案します。




























