結婚前に買った家で婚約破棄・離婚になったら。ペアローンと家の処分はどうなる?
オーバーローン / 任意売却 / 連帯債務・連帯保証人 / 離婚
「婚約中に買った家のローンが払えなくなった。相手とも別れて八方塞がりだ」
「結婚前にペアローンを組んだが離婚することになった。家をどうすればいい?」
「入籍前に彼の収入を合算してローンを組んだが、彼が失職して返済が苦しい」
結婚前・婚約中に購入した家の住宅ローンは、関係に変化が起きた瞬間に複雑な問題に発展します。法的な婚姻関係がない状態での不動産共有は、離婚時の「財産分与」という解決手段が使えず、通常の住宅ローン困窮よりも解決が難しいケースがあります。
この記事では、任意売却専門23年目のエイミックスが、結婚前に購入した家のローンが払えなくなった場合の対処法を実務の観点から解説します。
📋 この記事でわかること
1. 結婚前購入でローンが払えなくなる3つのパターン
エイミックスへの相談の中から、結婚前に購入した家のローンが払えなくなる典型的な3つのパターンを整理します。
婚約破棄・別居でペアローンが宙に浮いた
入籍前にペアローンを組んで家を購入したが、その後別れることになった。どちらかが住み続けるにしても、相手の連帯保証を外すには収入基準を単独でクリアする必要があり、現実的には借り換えが困難なケースが多い。相手がローンを払ってくれなくなった場合、自分だけで全額を負担することになる。
離婚・別居で収入が半減した
婚約中・結婚後まもなく購入した家だが、離婚・別居で相手の収入が家計から抜けた。もともと2人の収入を前提に返済計画を組んでいたため、1人では毎月の返済が立ち行かなくなる。とくに子供の養育費・慰謝料が加わる場合、さらに家計が圧迫される。
収入合算で購入し片方が失職・収入減した
2人の収入を合算してローンを組んだが、一方が失業・転職・病気・育休などで収入を失った。結婚前の購入のため法的保護が薄く、かつオーバーローン状態で通常売却もできない状況に追い込まれるケースがある。
⚠️ 結婚前購入特有の難しさ
通常の離婚時は「財産分与」(民法第768条)という制度で不動産の扱いを決められますが、法的な婚姻関係がない場合は財産分与が適用されません。民事上の「共有物分割請求」(民法第256条)という手続きになり、解決が複雑化します。また、オーバーローン状態では「競売による強制売却」に至るリスクもあります。早めに専門家に相談することが重要です。
2. 今困っている方が取るべき対処法
結婚前に購入した家のローンが払えなくなった場合、状況に応じた対処法があります。いずれも早めに動くほど選択肢が広がります。
ステップ1:まず金融機関に相談する(リスケジュール)
滞納前の段階であれば、金融機関に返済条件の変更(リスケジュール)を相談できます。収入減・失業・家庭の事情による返済困難は、金融機関が返済猶予・月額減額に応じるケースがあります。「払えなくなってから連絡する」より「払えなくなりそうな段階で相談する」方が選択肢が広がります。
ステップ2:物件の市場価格とローン残債の差を確認する
次に、物件が現在いくらで売れるかを把握します。
- アンダーローン(売却価格>残債)の場合:通常売却でローンを完済できます。相手との合意が取れれば売却して精算する方法がもっともシンプルです。
- オーバーローン(売却価格<残債)の場合:通常売却では完済できないため、任意売却という選択肢があります。
AI査定(ハウマッチ)でまず目安の市場価格を確認してみてください。
ステップ3:任意売却で残債を整理する
オーバーローンでも、債権者(金融機関)の同意を得て市場に近い価格で売却できるのが任意売却です。売却後に残った残債は、月々1万円程度からの分割返済に切り替えられるケースが多く、競売よりも有利な条件で解決できます。
結婚前購入の場合、ペアローンや連帯保証が絡むため、共有者である元パートナーとの合意形成も含めて専門業者がサポートします。
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「どこに相談すればいいかわからない」という方へ
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3. 婚約破棄・別居で相手と連絡が取れない場合
任意売却は原則として共有者全員の同意が必要です。しかし、元パートナーが連絡を無視している・行方不明・ローンを払ってくれないといった状況では、当事者同士での解決が困難になります。
相手がローンを払ってくれない場合
ペアローンで相手がローンを払ってくれなくなると、自分の分だけ払っていても相手の分の滞納が信用情報に影響します。この場合、金融機関への連絡・交渉を専門業者に代行してもらうことで、状況を整理できる場合があります。
相手が売却に同意しない場合
共有者が売却に同意しない場合、法的手続き(共有物分割請求訴訟・民法第256条)で解決することになります。これは弁護士への依頼が必要な手続きです。エイミックスでは、不動産売却の専門業者として弁護士と連携しながら、売却実現に向けて対応します。
💡 まず専門業者への相談が先
「弁護士に頼むべきか、不動産会社に頼むべきか」で迷う方が多いですが、住宅ローン困窮×不動産売却の問題はまず任意売却専門業者への相談が出発点です。状況を整理した上で、弁護士連携が必要かどうかを判断できます。エイミックスでは、こうした複合案件の対応実績が多数あります。
4. 【参考】これから結婚前に家を買う方へ
ここからは、これから結婚前に家を購入することを検討している方向けの参考情報です。
結婚前購入の3つのリスク
① 婚約破棄になった場合、財産分与が使えない
法的な夫婦であれば「財産分与」(民法第768条)で不動産の扱いを決められますが、入籍前のカップルには適用されません。共有名義の不動産は「共有物分割請求」(民法第256条)という民事手続きでの解決になり、感情的なもつれがある状況での解決は困難です。
② 資金負担と登記持分が一致しない場合に贈与税が発生する
たとえば「彼氏が全額ローンを組むが名義は半々」という場合、差額が贈与とみなされ贈与税の課税対象となるケースがあります(参照:国税庁タックスアンサーNo.4411)。資金負担と登記持分は一致させることが基本です。
③ 多くの金融機関が入籍前のペアローンを認めない
ペアローンの融資実行にあたり、入籍していることの証明を求める金融機関が多く、入籍前のカップルは融資自体を断られる可能性があります。
どうしても入籍前に購入するなら
- 持分は出資・ローン負担の比率と完全に一致させる
- 婚約破棄になった場合の取り決めを公正証書にしておく(「売却するか・どちらかが買い取るか」を明文化)
- 片方の収入だけでも返済できるか確認しておく
5. よくある質問(FAQ)
- Q. 婚約中に買った家のローンが払えなくなりました。相手とは別れています。どうすれば良いですか?
- まず物件の市場価格とローン残債の差を把握することが最初のステップです。アンダーローンであれば通常売却で精算できますが、オーバーローンの場合は任意売却という選択肢があります。相手との合意が取れない場合は法的手続きが必要になることもありますが、まずエイミックスにご相談ください。状況を整理した上で最善の対応策をご提案します。
- Q. ペアローンを組んでいますが、相手がローンを払ってくれなくなりました。
- 相手がローンを払わなくなると、連帯保証人・連帯債務者として自分に返済義務が及ぶ可能性があります。早めに金融機関へ状況を説明し、対応を相談することが重要です。また、任意売却で物件を売却してペアローンを解消する方向での解決も検討できます。まずは現状をエイミックスにお聞かせください。
- Q. 入籍前に買った家で婚約破棄になりました。財産分与はできますか?
- 離婚時の「財産分与」(民法第768条)は婚姻関係に基づく手続きのため、入籍前の場合は適用されません。共有名義の不動産については「共有物分割請求」(民法第256条)などの民事手続きで解決することになります。弁護士への相談が必要なケースもありますが、不動産の売却自体はエイミックスがサポートできます。
- Q. 結婚前に購入した家がオーバーローンです。売れますか?
- オーバーローンでも、債権者(金融機関)の同意を得て任意売却で売却できる場合があります。売却後に残った残債は月々1万円程度からの分割返済に切り替えられるケースが多く、競売よりも有利な条件で解決できます。共有者(元パートナー)の同意が必要になりますが、合意形成の支援も含めてご相談ください。
6. まとめ
✅ この記事のポイント
- ● 結婚前に購入した家のローンが払えなくなる主な原因は「婚約破棄・別居でペアローンが宙に浮く」「離婚・別居で収入が半減する」「片方が失職・収入減する」の3パターン。
- ● 法的な婚姻関係がない場合、離婚時の「財産分与」が使えず、解決が複雑化しやすい。
- ● まず金融機関に相談してリスケジュールを検討し、物件の市場価格とローン残債の差を確認することが最初のステップ。
- ● オーバーローンでも任意売却で解決できる場合がある。売却後の残債は月1万円程度からの分割返済になるケースが多い。
- ● 相手が連絡を無視している・売却に同意しない場合は、弁護士連携が必要になることもある。まず任意売却専門業者に相談することが出発点。
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この記事の監修・相談回答
細貝 和弘(ほそがい かずひろ)
宅地建物取引士 / 公認不動産コンサルティングマスター / 2級FP技能士
「婚約破棄になったので家を売りたい」というご相談は、離婚時の相談よりも解決が困難なケースが多いです。法的な財産分与が使えない分、当事者間の合意形成と不動産売却のスピードが命です。「どこに相談すればいいかわからない」という段階からお受けしています。まずは現状をお聞かせください。





























