結婚前に家購入はリスクだらけ!婚約破棄で泥沼化しないための3つの防衛策
任意売却 / 離婚
「結婚式までに入居したい!」「今の家賃がもったいないから、入籍前に新居を買って一緒に住もう」
最近、結婚が決まったカップルが、入籍前にマイホームを購入するケースが増えています。不動産会社も「新生活がスムーズですよ」と勧めてくるでしょう。
確かにメリットはありますが、私たち任意売却の現場には、「婚約破棄になったが、共有名義の家が売れずに泥沼化している」という悲痛な相談が後を絶ちません。
法的な夫婦(入籍済み)ではない「他人同士」が不動産を持つことには、想像以上のリスクが潜んでいます。この記事では、不動産会社があまり教えてくれない「結婚前購入の3つの致命的リスク」を解説します。

監修
細貝 和弘(ほそがい かずひろ)
宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター/
2級ファイナンシャルプランニング技能士/賃貸不動産経営管理士/相続診断士
「婚約破棄になったので家を売りたい」というご相談は、実は離婚時の相談よりも解決が困難です。なぜなら、法的な「財産分与」のルールが適用されないからです。甘い見通しで購入する前に、最悪のシナリオを知っておくことが、お二人の未来を守ります。
不動産屋は言わない「結婚前購入」3つの致命的デメリット
入籍前であれば、法的には赤の他人同士。この状態で数千万円の契約を結ぶことには、以下のリスクが伴います。
1. 万が一「婚約破棄」になった時の泥沼化
これが最大のリスクです。もし入籍前に別れることになった場合、以下の問題が噴出します。
- ペアローンの解消が困難:どちらか一方が住み続けるにしても、相手の連帯保証を外す(単独ローンへの借り換え)には高い収入基準が必要で、現実的には不可能です。
- 売却しても残債が残る:購入直後は諸費用分などで「オーバーローン」になることが多く、売るに売れず、別れた相手とローンを払い続ける地獄が始まります。
- 財産分与のルールが適用外:離婚時の「財産分与」(民法第768条)は適用されません。法的な夫婦ではないため、民法に基づく「共有物の分割」(民法第256条)請求や、不当利得返還請求など民事上の手続きで財産関係を整理することとなります。家庭裁判所での財産分与(家事事件)ではなく、地方裁判所での共有物分割請求訴訟(民事事件)により財産関係を整理することとなります。この民事手続では、婚姻関係に基づく柔軟な清算(財産分与)の考え方が適用されないため、厳格な持分比率に基づいた法的処理が必要となる傾向があります。なお、共有物分割訴訟では、裁判所が決定する分割方法は「現物分割」「賠償分割」「競売」のいずれかに限定されており、特にオーバーローンの状態では、金銭的な清算が困難な場合に競売による強制売却に至るリスクも伴います。(参照:民法第256条、最高裁判例など)
2. 「贈与税」が発生する落とし穴
例えば、「彼氏が全額ローンを組むが、登記(名義)は彼女との共有(1/2ずつ)にする」といったケース。
これは、彼氏から彼女へ「家の半分のお金をプレゼントした」とみなされ、彼女に高額な「贈与税」が課税対象と判断されるケースがあります。
資金負担と登記持分が一致しない場合、税務当局は差額を贈与とみなすことがあります(参照:国税庁 タックスアンサーNo.4411)。なお、夫婦間の「贈与税の配偶者控除」(租税特別措置法第70条の2の4)は、法律上の配偶者(婚姻届を提出済み)であることが大前提となります。この特例は、さらに婚姻期間が20年以上という厳格な要件があり、入籍前のカップルや入籍直後の夫婦は原則的に該当しません。資金負担と名義を一致させる、あるいは税理士に相談して適切な申告を行うことが重要です。
3. 住宅ローン控除や補助金の適用に混乱が生じる可能性
自治体の補助金や国の支援事業(子育てエコホーム支援事業など)では、「法律上の夫婦」であることを補助要件とするケースが多々あり、入籍前のカップルはこれらの補助金を受けられないリスクがあります。
また、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」自体は入籍前のカップルでも法定要件を満たせば適用可能ですが、ペアローンを組む場合、要件(居住開始時期、持分の登記、年収など)をそれぞれが満たす必要があります。しかし、実務上、多くの金融機関がペアローンの融資実行にあたり、契約時までに「入籍していることの証明」を求めることが多く、入籍前のカップルは融資自体を断られる可能性があります。
入籍の有無そのものが即否定要因ではありませんが、万が一の破局時に控除の権利に関する話し合いが複雑化したり、手続きが煩雑になったりする可能性があります。(参照:租税特別措置法、国税庁の解説、金融機関実務)
それでも「入籍前」に買うなら?絶対にやるべき防衛策
リスクを理解した上で、どうしても入籍前に購入したい場合は、以下の対策を講じてください。
1. 「共有持分」は出資比率と完全に一致させる
「愛の証だから半分ずつ」は厳禁です。贈与税リスクを回避するため、「頭金を出した額」と「それぞれが負担するローンの額(ペアローンや連帯債務)」の合計比率で、厳密に持分(所有権の割合)を決めてください。
2. 「婚約破棄時の取り決め」を公正証書にする
ロマンチックではありませんが、契約書(覚書)を作成しましょう。
「もし入籍に至らなかった場合、物件はどう処分するのか(売却するのか、どちらかが買い取るのか)」を明文化しておくことで、最悪の事態でもスムーズに解決できます。
もし、すでに「別れてしまった」カップルの方へ
この記事にたどり着いた方の中には、すでに「婚約破棄になったが、家の処分に困っている」という方もいらっしゃるかもしれません。
当事者同士での話し合いは、感情がもつれて解決しません。特に「相手が連絡を無視している」「ローンを払ってくれない」といった場合は、第三者の介入が不可欠です。
私たちにご相談ください
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まとめ:家を買うのは「入籍届」を出してから
厳しいようですが、専門家としての結論は「家を買うのは入籍後がベスト」です。
不動産購入は30年以上の責任を負う契約です。法的な絆(婚姻関係)が整う前に、その責任を負うことのリスクをもう一度二人で話し合ってみてください。
もし、すでに不動産の処分にお悩みなら専門家の知恵を。
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